2024.11.05 今月の書籍(2024年11月)

 

おすすめ新刊紹介「文庫」

焼跡からのデモクラシー──草の根の占領期体験(上)・(下)

出版社 岩波書店
発刊日付 2024年11月19日
著者 吉見 義明
本体価格 (上下刊とも)1,672円(本体1,520円+税)
ISBN (上)9784006004835・(下)9784006004842
戦後日本の民主主義は「与えられた/押しつけられた」ものなのだろうか。アジア太平洋戦争を草の根から支えた日本の民衆が、過酷な戦争体験と伝統的な価値観をもとに、民主主義を自ら作りあげ、獲得したことを、彼らが残した日記や雑誌投稿、聞き取りなどを通して明らかにする。『草の根のファシズム』の続編、待望の文庫化。

 

おすすめ新刊紹介「新書」

額縁のなかの女たち

出版社 NHK出版
発刊日付 2024年11月11日
著者 池上英洋
本体価格 1,595円(本体1,450円+税)
ISBN 9784140887318
「女性像」で西洋美術史を読み解く!

いくつもの睾丸を持つ女神、いつまでも若いままの聖母マリアと女性化する天使たち、無理な姿勢で立っているボッティチェリのヴィーナス、ファム=ファタルに魅了されたクリムト……古代から現代まで、特異とも思える女性イメージはいかに生まれ、いかに変遷してきたのか。当時の社会における女性のあり方を明らかにすることで、知られざる名画誕生の舞台裏に迫る。西洋絵画の画題の多くを占めてきた女性像に注目するのみならず、「描く」側として自らの芸術を切り開いてきた女性画家にもスポットを当て、西洋美術史の新たな姿を描き出す。カラー図版多数を交え、当代きっての名案内人が、やさしく、深く解説する。

 

おすすめ新刊紹介「一般書」

架空犯

出版社 幻冬舎
発刊日付 2024年11月
著者 東野圭吾
本体価格 2,420円(本体2,200円+税)
ISBN 9784344043732
『白鳥とコウモリ』の世界再び——シリーズ最新作

 

おすすめ新刊紹介「人文書」

ひとごと

出版社 河出書房新社
発刊日付 2024年11月
著者 福尾匠
本体価格 2,750円(本体2,500円+税)
ISBN 9784309231600
著者のデビュー以来の批評=エッセイを一挙収録する本書には、批評=エッセイの実践がひとつの哲学に結実する軌跡が刻まれている。

 

おすすめ新刊紹介「理工書」

経済数学の羅針盤 —解析学・大学院入試問題解題—

出版社 現代数学社
発刊日付 2024年11月21日
著者 藤間 真、中村 勝之
本体価格 2,310円(本体2,100円+税)
ISBN 9784768706473
大学院の入試問題を題材に,大学で必須の数学の学び方を,実際の対話形式でわかりやすく解説. 後半は前半の内容を踏まえつつ,経済数学に惹きつけた問題をピックアップしながら複雑化する経済を厳密な数学の筋道で突き詰めます.その筋道を担いつつも経済分析へいかに組み込むのかにも注力しました. 数学を志す学生,経済数学を扱う方へ必読の書です. 【内容】 常微分方程式/偏微分方程式/フーリエ展開/数値解析/複素解析/あえての差分方程式/微分方程式を使った経済分析の基礎/異時点間最適化問題の扉を開く/異時点間最適化問題の本丸へ

 

笑わない数学2

出版社 KADOKAWA
発刊日付 2024年11月21日
著者 NHK「笑わない数学」制作班
本体価格 1,980円(本体1,800円+税)
ISBN 9784046069016
NHK「笑わない数学」書籍化 堂々の第2弾!

数学の知られざる魅力が気軽に味わえる1冊として好評を得た「笑わない数学」第2弾。
第1巻と同様に、番組放送内容を書き起こし、それを再構成し、そして番組では触れられなかった内容を盛り込んだものとなっています。
全ページフルカラーにすることで、紙面を見やすく構成し、番組視聴者から好評を博した番組オリジナルCGを多数収録しました。
天才たちを苦しめた数々の難問を1テーマ30ページで楽しめる、全世代にオススメの数学入門書です。

今作では番組監修者である東洋大 小山教授に「素数の謎と深リーマン予想」というタイトルで、素数にまつわる最新研究の一端をご紹介いただきました。
未解決問題「リーマン予想」と「BSD予想」が繋がる壮大なストーリーをお楽しみください。

番組「笑わない数学」とは…
パンサー尾形貴弘が難解な数学の世界を大真面目に解説する異色の知的エンターテイメント番組として、数学ファンのみならず、小学生やその親御さん、中高生、そしてバリバリの現役世代から一線を退いた高齢の方と幅広い人々に受け入れられた人気番組。
レギュラー番組としてNHK総合テレビでシーズン1が2022年7月から9月まで、シーズン2が2023年10月から12月まで放送された。
優れたテレビ番組であるという評価を受け、シーズン1はギャラクシー賞テレビ部門の2022年9月度月間賞を受賞。

 

代数の基礎

出版社 共立出版
発刊日付 2024年11月28日
著者 清水 勇二 (著), 新井 仁之 (編集) 他
本体価格 4,180円(本体3,800円+税)
ISBN 9784320111561
本書は、代数学の基本概念である群と環・体の基本を中心に概説した教科書である。大学の数学科3年生向けの代数学通年講義をカバーしている。加えて加群の初等的理論、有限群の表現論の初歩も記述している。扱っている主要なテーマは、群の準同型定理、群の作用、群の組成列、可換環での整除、ネーター環でのイデアルの準素分解、主イデアル整域上の加群の構造、加群のテンソル積、半単純アルチン環の構造定理と有限群の表現への応用、代数拡大のガロワ理論と代数方程式への応用、体の超越拡大などである。
有限群の表現と指標の初等理論は、複素数体上の表現に限らない形で展開を試みた。非可換の場合も含めたいろいろな環を扱い、イデアルの準素分解も紹介したのは、本書の特長と言えよう。より専門的な内容を学ぶ際のベースキャンプとして本書を使うことが出来よう。
本書を通じて、各定義を理解するための典型的な例を挙げ、ほぼすべての命題・定理に証明を付けてある。証明を理解すると共に、例を確認する作業を通じて定義の意味、定理の意義を理解するよう心掛けてほしい。また、各小節ごとに演習問題を数問ずつおいたので、いくつか試してみるとよい。比較的詳しい解答が本書末に載せてある。

 

トポロジカルデータ解析

出版社 森北出版
発刊日付 2024年11月22日
著者 Gunnar Carlsson (原著) 他
本体価格 5,500円(本体5,000円+税)
ISBN 9784627083219
第一人者による入門書,待望の翻訳!

必要な数学の基礎理論から始めて,多数の具体例と合わせて学んでいくことで,トポロジカルデータ解析(TDA)の手法を確かに理解することができます.
そして,画像解析,化合物分析,材料科学,ウィルス進化,時系列解析,機械学習,ロボット工学,宇宙,政治など,多方面での応用例を知ることで,自身が応用していく際のヒントを得ることができます.

TDAを学びたい,データ解析や応用数学や位相幾何学に関わる大学院生や研究者,データ解析のエンジニアにおすすめの一冊です.

[原著]Topological Data Analysis with Applications (Cambridge University Press)

 

手を動かしてまなぶ基礎数学

出版社 裳華房
発刊日付 2024年11月1日
著者 富川祥宗
本体価格 3,190円(本体2,900円+税)
ISBN 9784785316044
「高校数学なんてすっかり忘れてしまった!」、「職場でデータサイエンスが必要になったけど、肝心の数学でつまずいてしまう」──そんな大学生や新社会人に贈る独習書。
本書1冊で数学の基礎を固めて、スムーズに「微分積分」「線形代数」「確率統計」に進もう。反復練習を意識した計算問題をドリル式に多数掲載!

 

ε‐δ(イプシロン‐デルタ)論法と数学の基礎:『原論』の時代から20世紀まで (大学数学スポットライト・シリーズ)

出版社 近代科学社
発刊日付 2024年11月1日
著者 宮島静雄
本体価格 3,850円(本体3,500円+税)
ISBN 9784764907157
大学数学の登竜門「ε-δ論法」を、直感的理解に繋げて解説した意欲作!

ε-δ論法は解析学を本格的に学び、活用しようとするなら必須になるが、高校までの数学との接続が難しいため習得に時間がかかることが多い。そこで本書では、極限の直観的理解との接続を図るために「なぜε-δ論法は難しく感じられるのか」を考え、「少し見方を変えればε-δ論法は直観的理解の近くにある」ということの説明から始める。ε-δ論法をうまく使いこなすことは勿論、ε-δ論法とそれが数学にもたらした影響について多角的に解説することで、理解を深めることに役立てている。

 

h同境定理

出版社 岩波書店
発刊日付 2024年11月18日
著者 J.W.ミルナー (著), 松尾 信一郎 (翻訳) 他
本体価格 3,850円(本体3,500円+税)
ISBN 9784000050975
高次元トポロジーの黄金時代の結晶であり、高次元ポアンカレ予想の解決のような華々しい応用をもつ「h同境定理」の証明を丁寧に解説した講義録。定理の証明の背景となるモース理論、同境、手術は現代幾何の故郷である。高次元の目に見えない空間を研究するとはどういうことなのかが実感できる一冊。監訳者による詳しい解説付き。

目 次

第0章 はじめに
第1章 同境圏
第2章 モース関数
第3章 基本同境
第4章 同境の並び替え
第5章 解消定理
第6章 より強い解消定理
第7章 中間次元における臨界点の解消
第8章 指数0と1の臨界点の除去
第9章 h同境定理とその応用

 

数研講座シリーズ 理工系基礎 確率・統計

出版社 数研出版
発刊日付 2024年11月12日
著者 服部哲弥
本体価格 2,970円(本体2,700円+税)
ISBN 9784410155093
【本書の特長】
多くの学生の声から生まれた,丁寧な解説でわかりやすい今までにない大学教材
理工系の大学2年生の「確率統計」,「数理統計」の半期,もしくは通年の科目で教科書としてお使いいただけます。
本書のレイアウトは高校の教科書と同じようになっています。
長年高校数学の教科書を発行してきた数研出版ならではの,読んでわかる大学の教科書です。
しかしながら,大学で学ぶ統計学は,大学1年生で学ぶ微分積分学,線形代数学の知識に加え,大学で初めて学ぶ統計学独特の作法や確率の公理を理解することが学習者に「難しい」という印象を与えます。
本書では,この「難しい」と感じさせる統計学と数学の関係を懇切丁寧に解説します。
統計学の学習に必要な高校数学の復習(Reviewとして数列や関数の極限,集合の記法など)と大学で同時期に学習する微分積分の基礎知識(+1ポイントとして偏微分,重積分の計算方法など)についての補足があります。
姉妹書『チャート式シリーズ 理工系基礎 確率・統計(仮)』と併読することで,さらに高い学習効果が得られます。

1 大学における確率統計について,定番の内容を厳密に解説する
→丁寧に解説する。高校数学の復習,大学の微分積分・線形代数の補足も載せる。
2 確率論と統計学の関係を詳しく解説する
→第5章,第6章は統計の数学的な厳密性を保証する内容である。
3 頻出の統計分析手法を取り上げる
→統計学は,目的(工学,経済学,心理学,社会学など)ごとに用いる分析手法が異なる。この中でなるべく共通して頻度高く扱われる分析手法について解説する。

 

機械学習のための数学

出版社 共立出版
発刊日付 2024年11月11日
著者 Marc Peter Deisenroth (著) 他
本体価格 6,380円(本体5,800円+税)
ISBN 9784320125810
機械学習のための数学の知識が一冊に!
最小限の前提知識から機械学習に必要な数学の概念を説明し、機械学習の四つの手法を導出する。

機械学習は社会の幅広い領域に応用されるようになり、より多くの人が機械学習を利用し、学ぼうとしている。機械学習のライブラリやソフトウェアがより簡単に利用できるようになってきている一方で、機械学習を学びたい多くの人にとって、背後にある数学的な概念の理解が一つのハードルとなっている。

本書はそのような機械学習と数学のギャップを埋めるため、機械学習で利用される基本的な数学について必要な知識を一冊にまとめたものである。最小限の前提知識から各トピックの数学的概念を説明し、機械学習の基本的な手法について導出を行う。対象となる手法は、線形回帰、主成分分析、混合ガウスモデル、サポートベクターマシンの四つである。数学に慣れている学生や社会人にとって、各手法の導出は機械学習を学ぶきっかけとなるだろう。また、数学に慣れていない人にとっては、数学的概念を適用するときの直感と実践的な経験を養うことに本書は役に立つだろう。

各章末には演習問題が用意され、そこで理解度を確認できる。また、本書には多くの図と例が登場し、読者の直感的な理解を助け、無味乾燥になりがちな学習を動機づけるように工夫されている。そのため、本書は特に、機械学習と数学の基本を学ぶ初学者に適するものである。

[原著]Mathematics for Machine Learning, Cambridge University Press, 2020.

 

測度距離空間の幾何学への招待: 高次元および無限次元空間へのアプローチ

出版社 サイエンス社
発刊日付 2024年11月22日
著者 塩谷 隆
本体価格 3,080円(本体2,800円+税)
ISBN 9784781916187
グロモフは測度の集中現象のアイディアを元に測度距離空間の幾何学的な収束理論を展開した.これは従来の(測度付き)グロモフ-ハウスドルフ収束とは異なり,次元が無限大へ発散するような空間列を調べるのに有効であり,無限次元空間の研究への幾何学的なアプローチを与える.本書では,このグロモフの理論を中心に,測度距離空間の幾何学を基礎から最先端に近いところまでを解説した.

【主要目次】距離と測度/距離幾何学/測度の集中現象/ボックス距離/オブザーバブル距離とメジャーメント/ピラミッド/極限公式とその応用/曲率と集中

 

プラズマの計算科学: 宇宙・核融合のマクロとミクロ描像を解き明かすMHDとPICシミュレーション

出版社 共立出版
発刊日付 2024年11月28日
著者 金田 行雄 (監修), 笹井 理生 (監修), 他
本体価格 5,280円(本4,800円+税)
ISBN 9784320122734
「プラズマ」は、固体・液体・気体に次ぐ物質の第四の状態であり、宇宙空間では体積の99%以上を占める基本構成要素であると同時に、さまざまな産業でも利用がなされている。
本書では、プラズマの流体的運動による巨視的な運動(マクロ)と、プラズマの荷電粒子の運動による微視的な運動(ミクロ)が織り成す非線形現象を理解するために、基礎概念から最新の手法にいたるまで系統的に解説し、宇宙・核融合などといった分野でのマクロとミクロの基本的な枠組みと、それらの統合化のためにプラズマ計算科学が目指すべき方向性を示す。
第1 章では、プラズマのマクロ・ミクロシミュレーションを理解する上で弼けとなる、磁気圏・太陽・宇宙・核融合などといった、さまざまなプラズマ現象に関する基礎知識、および基礎方程式となるNewton-Maxwell方程式とMHD(電磁流体力学)の枠組みを示す。第2 章では、マクロモデルを取り扱うMHDモデルの基礎およびさまざまなプラズマ現象への適用の枠組について示す。第3 章では、ミクロモデルを取り扱うParticle-In-Cell(PIC)粒子モデルの基礎およびさまざまなプラズマ現象への適用の枠組みについて、第4 章では、新しい展開であるマルチスケール・マルチ物理を扱う統合モデル化および分布関数を取り扱うVlasov(ブラソフ)モデルについて説明する。

前提知識は学部レベルの微分積分・線形代数・ベクトル解析を想定しており、プラズマ計算科学を志す大学院生・研究者のみならず、これまでにプラズマ科学に触れたことの無い読者でも、マクロ・ミクロが生成するプラズマ現象を広く学習が出来るように配慮した。

 

SL(2,R)の表現論 (朝倉数学ライブラリー)

出版社 朝倉書店
発刊日付 2024年11月6日
著者 落合 啓之
本体価格 3,300円(本3,000円+税)
ISBN 9784254118742
2次の特殊線形群SL(2,R)を題材に、表現論の考え方や技法を伝える。指標公式をゴールに設定し、それにまつわる表現論の様々な問題を取り扱う。〔内容〕リー群 SL(2,R)/リー環 sl2/既約ウエイト加群の分類/ユニタリ内積の決定/既約ユニタリ表現の指標/

 

団代数論の基礎

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2024年11月18日
著者 中西 知樹
本体価格 4,180円(本3,800円+税)
ISBN 9784130613187
整数論や結び目理論、ミラー対称性、量子群の表現論など、さまざまな数学の分野との関連が見出され、今日でも活発な研究が行われ進展が著しい団(クラスター、cluster)代数論。その基礎理論を包括した、初学者向けの初のテキスト。「基本」と「技法」の2部構成からなる。群環体に関する基礎事項のみを仮定する。

【主要目次】
はじめに
第I部 団代数の基本
第1章 さあ始めよう
第2章 基本概念
第3章 基本的な結果
第4章 分離公式
第5章 上団代数
第II部 団代数の技法
第6章 符号同一性と双対性
第7章 G扇
第8章 Fock-Goncharov分解と二重対数関数
第9章 ローラン正値性と同期性
第10章 団散乱図に向けて
第11章 団代数の量子化

 

授業では教えてくれない微積分学

出版社 森北出版
発刊日付 2024年11月25日
著者 福島竜輝
本体価格 2,640円(本2,400円+税)
ISBN 9784627079113
「極限や積分の定義」が、高校と大学で違うのはなぜ?
「中間値の定理」って、わざわざ証明するようなものなの?
「実数の厳密な構成」って本当にやる意味ある?

従来の教科書や授業では触れられてこなかったこれらの疑問点に答えつつ、微積分学を再構築。
これまでの学び方をアップデートする、「もう一つの」微積分学の入門書です。

独学者だけでなく、大学や高校の教員にとっても発見のある一冊。

◆そのほかの特長◆
・「実数」「関数」「曲線の長さ」「図形の面積」など、「高校の教科書ではさらっと説明されているが、よくよく考えると難しい概念」について、高校との接続を意識して解説。
・「0.999…=1」「ロピタルの定理」「微分の記号」「広義積分」といった「初めて学ぶ際に混乱しやすい内容」についても明解に解説。
・大学数学のハードルの一つである「定義や証明に対する向き合い方」にも随所で触れています。

◆数学者、物理学者からも推薦の声、続々!◆
服部哲弥氏(慶應義塾大学名誉教授)「単に正しい証明というのではない。その場面でその証明を選ぶ理由がある」
原隆氏(九州大学教授)「高校数学から最短距離で構築する、厳密な微積分学!」

 

復刊 リーマン面

出版社 共立出版
発刊日付 2024年11月11日
著者 及川 廣太郎
本体価格 7,480円(本6,800円+税)
ISBN 9784320115712
リーマン面とは、正則関数や有理型関数が定義できるような構造を持った空間であり、複素関数論における大変重要な概念である。本書は、リーマン面の基礎的な事柄を解説した、これからリーマン面を勉強しようという人のための手引書である。
まず最初に、リーマン面を導入し、それに付随した基礎事項を述べる。次に、リーマン面上の正則関数、有理型関数、調和関数、および微分形式の構成と性質などを解説する。最後に、被覆リーマン面、解析形成体、商リーマン面など、リーマン面の諸相を述べる。
『共立講座 現代の数学22 リーマン面』として1987年初版発行後、以来、長年にわたり多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度、多くの読者からの要望を受け単行本に改装し発行するものです。

 

Pythonで学ぶ線形代数学(第2版)

出版社 オーム社
発刊日付 2024年11月11日
著者 塚田 真 (著), 金子 博 (著), 小林 羑治 (著) 他
本体価格 3,960円(本3,600円+税)
ISBN 9784274232794
Pythonを使って線形代数学を見える化して学ぼう!
本書は、大学初年次に学ぶ基礎数学科目の一つであり、具体的なところでは機械学習やコンピュータグラフィックス、ゲームプログラミングなどの基礎となる線形代数を、Pythonを使って学ぶものです。

線形代数は、微分・積分とならび基礎的な数学の一つですが、ふつうに勉強するとベクトル・行列計算が面倒くさく、また定義や概念が多く抽象的な表現も多いため、なかなか理解しづらい学問といえます。

そこで本書は、Pythonによるプログラミングを用いて以下の工夫を施すことで、よりわかりやすく、またビジュアルにベクトルを見るなどの体験を通して、線形代数を学べるようにまとめました。

1)2次元平面や3次元空間のベクトルを視覚的に表現する
2)関数をグラフ化することで、ベクトル計算の意味を理解しやすくする
3)面倒なベクトルや行列の計算をプログラミングで表現する
4)手計算では不可能な高次の線形計算を、具体的なデータ(音や画像)を用いて表現する
5)通常の教科書の演習問題レベルの計算問題をプログラミングによる数式処理で求める

改訂にあたり、全体を見直すとともに、この4年間で変化したPython環境の見直し、カラー画像・3D・動画およびサウンドを閲覧できるQRコードの配置、第9章・第10章の練習問題の追加などを行いました。

本書が、読者の線形代数学のより一層の理解の一助となれば幸いです。

 

大学で学ぶ線形代数 増補版

出版社 サイエンス社
発刊日付 2024年11月1日
著者 沢田賢 渡邊展也 山口祥司 安原晃
本体価格 1,320円(本体1,200円+税)
ISBN 9784781916149
本書は刊行以来好評を得てきたテキストの増補版.理工系に限らず,入門者が線形代数の世界に入りやすいように具体的な説明を加え,出来るだけ抽象的になりすぎないように配慮し,基本的な定理・例題を扱ったテキスト・参考書である.

【主要目次】文字の使用について/行列/連立1次方程式/ベクトル空間/線形写像/行列式/固有値・固有空間/付録

 

現数 Select No.14 線形代数の構図 -空間と基底と次元

出版社 現代数学社
発刊日付 2024年11月21日
著者 矢ヶ部 巌
本体価格 2,200円(本体2,000円+税)
ISBN 9784768706480
微分方程式論・2 次曲線論・連立1 次方程式論を根底に据え,共通な性質を考察し発見しながら,線形代数の対象である線形空間を,線形代数の方法である線形写像を,そして線形空間の基底と次元に至るまでを公理・定義・定理の羅列ではなく,何故こうするのか?と自問する習慣がつくように配慮して書かれた,いわゆる伝統的でない数学書である. [内容]線形代数の古里に遊ぶ/線形代数の対象を探る/対象の共通点を抽出する/線形空間の概念に到達する/線形空間の周辺を散策する/公理の節約を試みる/屋下に屋を架す/演算子法を駆使する

 

多変数の微積分

出版社 培風館
発刊日付 2024年11月15日
著者 廣瀨 英雄
本体価格 2,530円(本体2,300円+税)
ISBN 9784563012403
本書は既刊「1変数の微積分」の続刊書であり,大学の1変数の微分積分を履修した後に学ぶ多変数の微分積分の話題に特化してまとめられている。多変数の微分積分の内容をただ網羅的に解説するのではなく,多変数ならではの特徴がつかめるよう,あくまで基礎的な考え方を中心に丁寧に示すことに努めている。さらに最近では,AIやデータサイエンスなどで高次元データを取り扱うことが普通になってきていることから,2, 3次元以上の高次元でも使えるように一般性をもたせた説明を行い,また変数変換による重積分など,単に計算を行うだけでなく計算の背後にある(線形代数と絡み合うところの)仕組みなども,具体的な例を豊富に盛り込み解説するように心がけている。

 

学習物理学入門

出版社 朝倉書店
発刊日付 2024年11月6日
著者 橋本 幸士
本体価格 2,200円(本体2,000円+税)
ISBN 9784254131529
・物理学と人工知能・機械学習のコラボレーションを学ぶ入門テキスト。
・物理系学生がスムーズに機械学習に入門し、物理学と機械学習の関係・協働を知ることができる。

【主な目次】
0. イントロダクション
A 機械学習と物理学
A1. 線形モデル
A2. ニューラルネットワーク(NN)
A3. 対称性と機械学習:畳み込み・同変 NN
A4. 古典力学と機械学習: NN と微分方程式
A5. 量子力学と機械学習: NN 波動関数
B 機械学習模型と物理学
B1. トランスフォーマー
B2. 拡散モデルと経路積分
B3. 機械学習の仕組み: 統計力学的アプローチ
B4. 大規模言語モデルと科学

 

量子と情報

出版社 裳華房
発刊日付 2024年11月1日
著者 細谷曉夫
本体価格 4,180円(本体3,800円+税)
ISBN 9784785325152
21世紀は、量子力学の基本原理を利用した情報技術の世紀ともいえる。本書では、その基本原理がどのように活用されているかを具体的に見ていきながら、基礎科学としての量子力学と情報科学の関係を解説した。
量子情報の中核となるのは、量子測定理論である。そこで、量子力学の基本からはじめて、古典情報理論をお手本に量子測定理論を展開していくという構成とした。その後は、トピカルな話題であるエンタングルメントと弱値を取り上げ、最後に量子計算の概略を解説する。
量子情報に興味がある方へ向けた入門書として、じっくりと取り組んでいただきたい1冊である。

 

素粒子物理学

出版社 裳華房
発刊日付 2024年11月29日
著者 川村 嘉春
本体価格 4,070円(本体3,700円+税)
ISBN 9784785324155
物理学の教育・学びの双方に役立つ21世紀の新たなガイドとなることを目指し、多様化する“大学の講義と学生のニーズ”に応えるテキストとして刊行中の『物理学レクチャーコース』の一冊である。
本シリーズでは、講義する先生の目線で内容を吟味する編集委員に加え、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーターの須貝駿貴さんと予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」講師のヨビノリたくみさんに編集サポーターとして加わっていただき、学習する読者の目線で、テキストの内容がよりわかりやすく、より魅力的なものになるように内容を吟味していただいていることも、大きな特徴の一つとなっている。

物理学の醍醐味のーつは、物理法則が美しく彩られた数式の形で表されることである。本書は、「相互作用」と「対称性」に着目して、3つの相互作用(電磁相互作用、強い相互作用、弱い相互作用)を軸に、対称性を通奏低音のようなバックグラウンドにして、「素粒子の標準模型」を理解することを目標に据えた。
標準模型の基本数式を理解するためには、「テンソル解析」「群論」という数学と「場の量子論」という物理学が必要になる。これまであまり馴染みのない数式や表現に戸惑うかもしれないが、本格的な専門書や論文を読むための踏み台となるような内容と解説に心掛けたので、そのモヤモヤした気持ちをグッと堪えて、とりあえず受け入れて読み進めてほしい。その後で、気になった数式に戻って、専門書なども参考にしながら、自分で導出してみたり、その意味するところをあれこれ考えてみるとよいだろう。

 

プラズマの計算科学: 宇宙・核融合のマクロとミクロ描像を解き明かすMHDとPICシミュレーション

出版社 共立出版
発刊日付 2024年11月28日
著者 金田 行雄 (監修), 笹井 理生 (監修) 他
本体価格 5,280円(本体4,800円+税)
ISBN 9784320122734
「プラズマ」は、固体・液体・気体に次ぐ物質の第四の状態であり、宇宙空間では体積の99%以上を占める基本構成要素であると同時に、さまざまな産業でも利用がなされている。
本書では、プラズマの流体的運動による巨視的な運動(マクロ)と、プラズマの荷電粒子の運動による微視的な運動(ミクロ)が織り成す非線形現象を理解するために、基礎概念から最新の手法にいたるまで系統的に解説し、宇宙・核融合などといった分野でのマクロとミクロの基本的な枠組みと、それらの統合化のためにプラズマ計算科学が目指すべき方向性を示す。
第1 章では、プラズマのマクロ・ミクロシミュレーションを理解する上で弼けとなる、磁気圏・太陽・宇宙・核融合などといった、さまざまなプラズマ現象に関する基礎知識、および基礎方程式となるNewton-Maxwell方程式とMHD(電磁流体力学)の枠組みを示す。第2 章では、マクロモデルを取り扱うMHDモデルの基礎およびさまざまなプラズマ現象への適用の枠組について示す。第3 章では、ミクロモデルを取り扱うParticle-In-Cell(PIC)粒子モデルの基礎およびさまざまなプラズマ現象への適用の枠組みについて、第4 章では、新しい展開であるマルチスケール・マルチ物理を扱う統合モデル化および分布関数を取り扱うVlasov(ブラソフ)モデルについて説明する。

前提知識は学部レベルの微分積分・線形代数・ベクトル解析を想定しており、プラズマ計算科学を志す大学院生・研究者のみならず、これまでにプラズマ科学に触れたことの無い読者でも、マクロ・ミクロが生成するプラズマ現象を広く学習が出来るように配慮した。

 

液体の構造と性質 (岩波オンデマンドブックス)

出版社 岩波書店
発刊日付 2024年11月11日
著者 戸田 盛和 (著), 松田 博嗣 (著), 樋渡 保秋 (著) 他
本体価格 6,600円(本体6,000円+税)
ISBN 9784007315053
典型的な分子からなる単純な液体を、統計力学・分子論の立場から取り扱い、種々の温度や圧力の下での液体の構造と性質を解析する。これにより、X線回折をはじめ、刊行当時著しく発展し始めた計算機実験を含めて多くの実験事実を統一的に理解し、さらには、直接測定が困難な液体の性質の予測にも確実な基礎を与えようとする。

 

熱力学講義

出版社 裳華房
発刊日付 2024年11月11日
著者 Benjamin Widom (著), 甲賀 研一郎 (著)
本体価格 2,530円(本体2,300円+税)
ISBN 9784785328290
熱力学の多種多様な応用を学ぶことよりも、熱力学から結論できることとそうでないことを峻別しながら、重要な具体的問題に対して、熱力学から導かれる法則を示すことに重きを置いた一冊。
講義の予習や復習、あるいは独学にも役立つ「読める」テキスト。
また本書には数多くのユニークな問題が収められており、これらを通して、読者は熱力学の原理を会得し、具体的問題への理解を深めることができるようになるだろう。

 

星間物質と星形成[第2版] (シリーズ現代の天文学)

出版社 日本評論社
発刊日付 2024年11月11日
著者 福井 康雄 (編集), 犬塚 修一郎 (編集) 他
本体価格 3,300円(本体3,000円+税)
ISBN 9784535607569
星の誕生から終焉までを、壮大なサイクルでつなぐ星間物質に迫り、星形成の現在にふれる。「アルマ」の成果を盛り込んだ第2版。

 

宇宙科学入門 第3版

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2024年11月26日
著者 尾崎 洋二
本体価格 4,180円(本体3,800円+税)
ISBN 9784130627337
身近な太陽系から、恒星、銀河、そして宇宙論まで、宇宙科学を幅広く網羅し、解説した入門書。第3版にあたって、重力波とブラックホールの観測についての章を追加し、ニュートリノ天文学や小惑星りゅうぐうへの「はやぶさ」の探査などについて加筆した。

【主要目次】
第3版まえがき
第2版まえがき
初版まえがき

第1章 大きく進展する宇宙科学
第2章 太陽と太陽系
第3章 恒星の世界
第4章 わが銀河系
第5章 銀河宇宙
第6章 ブラックホールと重力波
第7章 現代の宇宙論
第8章 宇宙の中の人間

 

東大塾 脳科学とAI

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2024年11月5日
著者 酒井邦嘉
本体価格 4,620円(本体4,200円+税)
ISBN 9784130633697
人間の未来はどうなるのか
本書は人間を対象とする脳科学の知見を一般読者と共有すること目的としている。技術開発や産業応用を見据えた脳のメカニズム理解について、人工知能による自然言語処理や学習や適応を支援する技術開発を紹介し、さらに人工知能の医療の応用、また、心の理解、倫理の問題まで幅広く紹介する、脳科学とAIの最前線。

【主要目次】
はじめに

Ⅰ 脳の理解
第1講 人間の脳科学 現状と展望 (酒井邦嘉)
第2講 人工知能による自然言語処理(鶴岡慶雅)
第3講 学習や適応を支援する技術開発(今泉 寛)
第4講 精神医学と脳科学(笠井清登)

Ⅱ 心の理解
第5講 食と香りの脳計測(小早川達)
第6講 志向性(意識)とロボティクス(心と体)――意識と無意識について考える(前野隆司)
第7講 AIで脳から心を解読する――〈ボトルネックとしての身体〉とBMI(神谷之康)

Ⅲ 技術と倫理
第8講 計算論的精神医学の可能性(川人光男)
第9講 百年後のテクノロジーと脳(鈴木貴之)
第10講 脳科学の倫理と人間のゆくえ(信原幸弘)

 

人工知能と哲学と四つの問い

出版社 オーム社
発刊日付 2024年11月19日
著者 人工知能学会 (監修), 三宅 陽一郎 (編集) 他
本体価格 3,630円(本体3,300円+税)
ISBN 9784274232848
人工知能と哲学、「人」に迫る二つの学問が影響し合うその先を問い、考える
本書は、人工知能学会誌『人工知能』の連載記事:レクチャーシリーズ「AI哲学マップ」および関連記事を再編集し、書籍化するものです。
レクチャーシリーズ「AI哲学マップ」は、人文系(主に哲学)の研究者と人工知能分野の研究者の対談から、相互の知見を共有し集積した先に、「人工知能のフロンティアを描き出す」ことを目的として企画されました。本書では、記事・対談の内容から浮かび上がった下記四つの問いを提示し、これらを軸に対談内容を理解することで、人工知能研究の「現在地」と「方向性」を明らかにし、学問としての発展に示唆を与えます。
問い1 人工知能にとってコミュニケーションとは何か
問い2 人工知能にとって意識とは何か
問い3 人工知能にとって社会とは何か
問い4 人工知能にとって実世界とは何か
記事再編にあたり、人工知能を専門としない多くの方々にもわかりやすく読めるよう、技術解説の補足や挿絵の追加など、内容理解の助けとなる工夫を凝らしました。
 

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