2025.02.03 今月のおすすめ書籍(2025年2月)

 

おすすめ新刊紹介「文庫」

新版 知的創造のヒント

出版社 筑摩書房
発刊日付 2025年2月10日
著者 外山滋比古
本体価格 792円(本体720円+税)
ISBN 9784480440020
知のバイブル『思考の整理学』の原点となった代表作。〈新版〉として文字を読みやすく、東大生・京大生からの質問に答える特別講義を初収録。

 

人間の本性を考える 上

出版社 筑摩書房
発刊日付 2025年2月10日
著者 スティーブン・ピンカー 山下篤子
本体価格 1,870円(本体1,700円+税)
ISBN 9784480512819
人間を決めるのは「生まれ」か、それとも「育ち」か。いまだ議論が絶えないこの論争に介入し、世界中で大反響を巻き起こした鬼才ピンカーの代表作。

 

人間の本性を考える 下

出版社 筑摩書房
発刊日付 2025年2月10日
著者 スティーブン・ピンカー 山下篤子
本体価格 2,090円(本体1,900円+税)
ISBN 9784480512826
人間がもつとされる「心」とはいかなるものか。この難題に真っ向勝負を挑んだ現代の古典。新版へのあとがきを新たに訳出した決定版。解説 佐倉統

 

族長の秋 文庫版

出版社 新潮社
発刊日付 2025年2月28日
著者 ガブリエル・ガルシア=マルケス 鼓直
本体価格 1,100円(本体1,000円+税)
ISBN 9784102052136
無人の聖域に土足で踏みこんだわれわれの目に映ったのは、ハゲタカに喰い荒らされた大統領の死体だった。国に何百年も君臨したが、誰も彼の顔すら見たことがなかった。生娘のようになめらかな手とヘルニアの巨大な睾丸を持ち、腹心の将軍を野菜詰めにしてオーブンで焼き、二千人の子供を船に載せてダイナマイトで爆殺したという独裁者――。権力の実相をグロテスクなまでに描いた異形の怪作。
 

おすすめ新刊紹介「新書」

22世紀の資本主義 やがてお金は絶滅する

出版社 文藝春秋
発刊日付 2025年2月20日
著者 成田 悠輔
本体価格 1,100円(本体1,000円+税)
ISBN 9784166614745
お金の夢から醒めろ
株価も仮想通貨も過去最高値を更新、生成AIの猛威が眼前に立ち現れ、かつてなく資本主義が加速する時代。お金や市場経済はどこへ向かうのか?
この先数十年から百年かけて起きる経済、社会、世界の変容を大胆に素描。
人の体も心も商品化される超資本主義の行き着く果てに到来する「測れない経済」。そこに出現する「お金が消えてなくなったデータ資本主義」は人類の福音となるか?
現実とも虚構ともつかない未来像を立ち上げる経済学者・成田悠輔の本領発揮! 貯金と投資なんかで夢見てる場合じゃない。凝り固まった思考を叩き割る社会構想の誕生を目撃せよ。

 

おすすめ新刊紹介「一般書」

ものごころ

出版社 文藝春秋
発刊日付 2025年2月10日
著者 小山田浩子
本体価格 2,200円(本体2,000円+税)
ISBN 9784163919423
植物や花、虫やさまざまな生き物が乱舞する、色鮮やかで心躍る「子供の世界」へ!
二人の少年が川原で拾った、怪我をした犬の命運は。(「心臓」)
子供が飲み込んでしまったスモモの種はいつ出てくるのか。(「種」)
「穴」で芥川賞を受賞して以来、独自の小説世界を築いてきた小山田浩子さん。近年では海外に招かれる機会も多く、「日本発のマジックリアリズム」の旗手として注目を集める著者が、言葉の奔流のような文体と、顕微鏡をのぞきこむような高精細な描写で「子供の世界」に挑む9篇。
子供の世界へ身体ごとダイブし、子供が見るように世界を見る、唯一無二のカラフルな小説集。

 

おすすめ新刊紹介「人文書」

FREE 歴史の終わりで大人になる

出版社 勁草書房
発刊日付 2025年2月15日
著者 レア・イピ 山田文
本体価格 3,300円(本体3,000円+税)
ISBN 9784326852048
自由ってなに? スターリン像を抱きしめた日、私は大人になった。LSE政治理論教授がアルバニアでの少女時代から綴る哲学的自伝。
社会主義下のアルバニア。粛清と困窮にあっても自由への期待に満ちた少女時代は、1990年、抗議行動の高まりで一変する。自由選挙と市場開放、構造改革、移民増加、ねずみ講の破綻で激しい暴動が続く。ある世代の希望は別の世代の幻滅となり、家族の秘密が明らかになる。ふたつの世界を往還する20世紀の成長物語。
【原著】Lea Ypi, FREE: Coming of Age at the End of History, Penguin(Allen Lane, UK), 2021

 

おすすめ新刊紹介「理工書」

連分数と楕円積分

出版社 共立出版
発刊日付 2025年2月12日
著者 杉山 健一 (著)
本体価格 3,520円(税込)(本体3,200円+税)
ISBN 978-4320115750
実数を連分数を用いて表すと、隠れていた性質が明らかになることがある。その背景には、整数論に由来する深い事実が隠されている。とくにπ/4の連分数表示はガウスにより発見され、その証明に超幾何関数が用いられた。
一方、楕円の周の長さを初等関数で求めることはできないが超幾何関数で表すことができ、その値は算術幾何平均となる。さらに、算術幾何平均はテータ関数を用いて表すことができるので、楕円の長さを通じて超幾何関数とテータ関数が関係する。これは、周期積分を仲立ちにして、超幾何関数とテータ関数が結びつく深い数学的な事実の一例となっている。
本書では、連分数と算術幾何平均をとおして、現代の数学で重要な役割を果たす超幾何関数とテータ関数を解説する。
〔予備知識〕 微積分・線形代数
複素関数と有限体に関する知識があればより読みやすいが、必要な知識は巻末の付録にまとめた。

 

ノンパラメトリック法: カーネル型推定による統計的推測(統計学One Point)

出版社 共立出版
発刊日付 2025年2月5日
著者 前園 宜彦 (著)
本体価格 2,530円(税込)(本体2,300円+税)
ISBN 978-4320112797
ノンパラメトリック推定は、推定対象とするモデル(分布や関数)に対して制約を置くことなく推定する方法で、とくに1960年代以降に盛んに研究が行われている。とりわけ、滑らかな密度関数の推定法である「カーネル型推定」は、1980年代以降に漸近理論の研究が深化したことで統計的リサンプリング法への活用が盛んとなり、また同時期にコンピュータの性能が飛躍的に向上したことにより、ノンパラメトリック法の代表的な推定手法として定着してきている。
本書では、カーネル型推定量を利用した分布関数の統計的推測の応用と、推測の改善を中心に解説する。
第1章では、密度関数推定量とそれに関連する推定量の漸近的な性質を議論する。第2章では、分布関数推定量の漸近的な性質を議論する。第3章では、分位点推定や順位検定の連続化といった統計的推測への応用について議論し、統計量の漸近的性質を解説する。第4章では、密度関数のオーダーが実数全体でないときに生じる「境界バイアス問題」について、データ変換により改良する手法とその有効性を議論し、シミュレーションで検証する。

 

数論入門 新装版──ゼータ関数と2次体(新装版)

出版社 岩波書店
発刊日付 2025年2月20日
著者 D.B.ザギヤー (著), 片山 孝次 (翻訳)
本体価格 4,510円(税込)(本体4,100円+税)
ISBN 4000063499
代数的整数論や解析的整数論への導入として有用なゼータ関数と2次体の理論を解説。I部でディリクレ級数、II部で2次体とそのゼータ関数を扱う。ゼータ関数、L級数、2次形式などの話題が見事に交錯する。現代の傑出した数学者が数論のとりわけ興味深い理論を切り口鮮やかに提示した入門書。原著にはない略解とヒントを付す。

 

多重線型代数 I テンソルと外積代数

出版社 現代数学社
発刊日付 2025年2月21日
著者 井ノ口 順一 (著)
本体価格 4,290円(税込)(本体3,900円+税)
ISBN 978-4768706558
本書は「多重線型代数」と題する全3巻シリーズの1作目である.テンソルの概念を理解するためには目的に応じた教材が不可欠であることから,第1巻である本書では,有限次元実線型空間および複素線型空間上のテンソルについて解説する.「テンソル」というテーマに対する多様なニーズに応え,それに応じた明確な解説を提供する.
【内容】第I 部 テンソル(線型空間/双対空間・双線型形式/多重線型形式/テンソルの縮約と型変更) 第II 部 幾何学への応用(スカラー積空間/実線型空間の複素化/曲率型テンソル/グラスマン多様体)

 

新版 第2版 はじめての電子状態計算: DV-Xα分子軌道計算への入門

出版社 三共出版
発刊日付 2025年2月4日
著者 足立 裕彦(著), 小笠原 一禎(著), 小和田 善之(著), 坂根 弦太(著),&1 その他
本体価格 3,850円(税込)(本体3,500円+税)
ISBN 978-4782708378
物質の電子状態をパソコンで短時間かつ簡単にすべての元素で計算できる「DV-Xαプログラム」。本書は、計算支援環境などがさらに充実した新バーションの利用方法を、わかりやすく丁寧に解説する。
―― 主な改訂 ――
・macOS環境におけるWindows版と同様の計算支援環境の解説。
・周辺プログラムに追加された可視紫外吸収スペクトルの算出プログラムの解説。
・より簡単にモデル構築するためのフリープログラムの活用方法。

 

物質の電子状態 原書2版 上

出版社 丸善出版
発刊日付 2025年2月4日
著者 R.M. マーチン(著, 原著), Richard M. Martin(著, 原著),&2 その他
本体価格 6,820円(税込)(本体6,200円+税)
ISBN 978-4621310571
物質の電子状態を計算で明らかにするための基盤的な理論を詳細に解説する、計算物理学を学ぶ学生にはバイブル的な教科書。
上巻では、興味深い物質と現象に関するこれまでの理論的研究を概観し、そのうえで物質の電子状態を解明するための基礎になる理論を説明する。また、各章末には演習問題が配置され、その章の復習ができるだけでなく、知識を応用した実力試しもできるので自学にも適している。
※『物質の電子状態 原書2版 下』は2025年春刊行予定です。

 

ライブ形式で理解する量子力学入門: 現代的アプローチから

出版社 共立出版
発刊日付 2025年2月28日
著者 初田 泰之 (著)
本体価格 3,520円(税込)(本体3,200円+税)
ISBN 978-4320036338
丁寧な語り口と豊富な確認問題で、現代的な量子力学をはじめて学ぶための入門書
前半ではディラックのブラ・ケット記法をベースとする演算子形式を用いて、量子力学の枠組みを初学者向けに分かりやすく解説。ブラ・ケット推しの著者による実況中継スタイルの解説と豊富な確認問題により、理解と確認を繰り返しながら読み進めることができる。
後半では演算子形式から波動形式の量子力学へと移行し、シュレーディンガー方程式を解析していく。このような流れで学ぶことで、計算の煩雑さに惑わされることなく、量子力学の考え方のエッセンスを習得することができる。最後の章では、発展的な題材として共鳴状態・超対称量子力学の基礎・PT 対称性を持つ模型などについても解説。

 

重力レンズ(シリーズ 理論物理の探求)

出版社 朝倉書店
発刊日付 2025年2月17日
著者 大栗 真宗 (著)
本体価格 4,400円(税込)(本体4,000円+税)
ISBN 978-4254135336
・遠方天体,宇宙の大規模構造,惑星探査などさまざまな観測で応用が期待される重力レンズ
・その基礎から個別の話題まで一貫性をもって解説する国内唯一の書
【主な目次】
第1章 重力レンズの発見と応用
重力レンズの初期の歴史/強い重力レンズの発見/重力マイクロレンズの発見/弱い重力レンズの検出
第2章 重力レンズ方程式
測地線方程式/重力レンズ方程式の導出/局所平面座標およびBorn近似/薄レンズ近似および単一レンズ平面近似/複数レンズ平面近似/Fermatの原理との対応/曲がり角のよく知られた表式との対応
第3章 重力レンズの基本的性質
重力レンズ方程式のまとめ/重力レンズポテンシャルと質量密度分布との対応/像の位置および複数像/像の変形/増光率と像のパリティ/臨界曲線および焦線/時間の遅れ/Fermatの原理との対応および複数像の分類
第4章....

 

新装版 電磁気学を考える

出版社 サイエンス社
発刊日付 2025年2月20日
著者 今井 功 (著)
本体価格 5,280円(税込)(本体4,800円+税)
ISBN 978-4781916286
難解といわれる電磁気学も“運動量とエネルギーの保存”を基本法則として再構成すれば直観的に理解しやすくなる―たとえば,電磁誘導や電磁波の現象も初等的に理解される.理工系の学生・研究者・技術者必読の「今井電磁気学」,堂々の復刊.
【主要目次】序説/真空中の静電場/電磁場理論の再構成/電磁場の直観的イメージ/物質中の電磁場―基本的な物理量/物質中の電磁気学/電磁気の単位/相対性理論入門/運動物体の電磁気学/電気回路/孤立物体に働く電磁力/物質中の電磁場―誘電流体と磁性流体/物質中の電磁場―固体の応力/電磁気学のパラドックス

 

レクチャー 熱・統計力学

出版社 サイエンス社
発刊日付 2025年2月17日
著者 市川 聡夫 (著)
本体価格 2,310円(税込)(本体2,100円+税)
ISBN 978-4781916262
熱力学・統計力学の本質を理解し,活用できるような解説を心掛けたテキスト.本書では,熱機関が行う仕事やその効率,状態量の間に成り立つ関係,分子の力学的な運動,統計力学の基本的な考え方から具体的なモデルにおける状態量の求め方について述べている.
【主要目次】温度と熱/熱も含めたエネルギー保存則(熱力学第1法則)/熱機関の最大の効率(熱力学第2法則)/分子の運動からみた熱力学(気体分子運動論とマクスウェル分布)/ミクロからマクロへ導く方法(平衡統計力学の基礎)/統計力学と熱力学の接続(確率モデルの応用)/同種粒子における影響(量子統計力学)/量子力学の基礎/立方体中のN個の自由粒子の系における状態数/エントロピーと情報・確率分布

 

超伝導転移の物理 増補版

出版社 丸善出版
発刊日付 2025年2月28日
著者 池田 隆介(著), 稲見 武夫(編集), 川上 則雄(編集)
本体価格 5,060円(税込)(本体4,600円+税)
ISBN 978-4621310908
100年以上前、カマリング・オネスによる電気抵抗の消失が発見され、超伝導の基礎理論といわれるBCS理論が提出されてから既に70年近くが経過している。1980年代後半に入って銅酸化物系の高温超伝導物質が発見され、その超伝導現象の研究が始まって以後、超伝導の物理では様々な新分野が開拓され続けている。
本書では、電子状態の解説が中心となる従来の超伝導の専門書とは一線を画し、相転移や揺らぎをキーワードとした超伝導の解説を行う。高温超伝導(HTSC)で見出された磁場下の現象が、HTSCに固有のものではないことを明確にするため、物質に関する具体的な記述はむしろ避けて、従来からの超伝導の教科書とのつながりで読まれることを意識して、超伝導理論の基礎を中心に解説する。さらに専門書の多くは固体電子論の解説の延長として書かれているものが多いため、本書は対照的に統計力学的な側面からの超伝導理論の解説書となっている。

 

流体力学の計算手法 原著4版

出版社 丸善出版
発刊日付 2025年2月4日
著者 大島 伸行(翻訳), 坪倉 誠(翻訳), 小林 敏雄(翻訳)
本体価格 8,360円(税込)(本体7,600円+税)
ISBN 978-4621310786
本書は,数値流体力学(CFD: computational fluid dynamics)について,実践的に使いこなすために有益な基礎知識を扱った専門書である.トピックとしては,多面体格子や重合格子,マルチグリッド法,並列計算,移動格子や自由表面流の手法,乱流の直接シミュレーションおよびラージ・エディ・シミュレーションなど今日よく用いられている手法を横断的にカバーしている.各トピックの基本となる考え方については,あまり数学的な解析に偏重せず,一般的な方法論を解説することをこころがけ,さまざまな方法の違いよりも共通点に重点を置いた説明をしている.また,数値計算の誤差評価についても強調しており,おおよその解析例でも誤差解析を行うなど,誤差解析の必要性を繰り返し説いている.本書での学びを通じて,CFDツールにより良い解析ができるように導く.

 

応用基礎としてのデータサイエンス 改訂第2版 AI×データ活用の実践 (データサイエンス入門シリーズ)

出版社 講談社
発刊日付 2025年2月14日
著者 北川 源四郎(編集), 竹村 彰通(編集), 赤穂 昭太郎(著),&12 その他
本体価格 2,860円(税込)(本体2,600円+税)
ISBN 978-4065386187
◆生成AIを大幅加筆し,好評テキストが改訂!◆
・いますぐ身につけるべき「データサイエンス」「データエンジニアリング」「AI」の基礎知識がここにある!
・「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム」に完全準拠した公式カラーテキスト!
・カラーで見やすく、練習問題も充実!

 

学術論文とAI: GPTの性質と両利き研究者の出現

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2025年2月25日
著者 山崎 知巳 (著)
本体価格 4,950円(税込)(本体4,500円+税)
ISBN 978-4130611664
本書は学術論文の分析によりAI 分野の特徴を浮き立たせるものである。AI の世界ではこれまでの産学連携では見られなかった新しい形態の研究者を出現させ、また、AIが汎用技術の性質を有し、他の学術・産業分野に応用される可能性を明らかにする。

 

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