2025.03.31 今月のおすすめ書籍(2025年4月)

 

おすすめ新刊紹介「文庫」

街とその不確かな壁(上) 文庫版

出版社 新潮社
発刊日付 2025年4月23日
著者 村上春樹
本体価格 990円(本体900円+税)
ISBN 9784101001784
著者は1980年に中編小説「街と、その不確かな壁」、1985年に壮大な長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)を発表した。幻想世界の〝街〟とスリリングな冒険活劇が並行して描かれ、この長編は世界中の読者を魅了した。
村上春樹の〝街〟とは何か――『街とその不確かな壁』は、40年の歳月を経て、著者がその〝街〟に立ち戻り、新たに三部構成で描かれた長編小説である。文庫版は、上下二冊で刊行。

十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、〝街〟 について語り出す――それが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに“本当のきみ”がいるという。<古い夢>が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、街 について語り出す――それが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに本当のきみがいるという。<古い夢>が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。

 

街とその不確かな壁(下) 文庫版

出版社 新潮社
発刊日付 2025年4月23日
著者 村上春樹
本体価格 935円(本体850円+税)
ISBN 9784101001791
図書館の奥まった半地下の館長室で、薪ストーブの火を見つめながら子易(こやす)老人は「私」に語りかける。「ここはなにより、失われた心を受け入れる特別な場所でなくてはならない」、と。そんなある日、「私」の前に不思議な少年があらわれる。「イエロー・サブマリン」の絵のついた緑色のヨット・パーカを着て、図書館のあらゆる本を読み尽くす高校生の少年だった。「その街に行かなくてはならない」――少年は自ら描いた〝街〟の地図を携え、「私」に問いかける。そして舞台は第二部の〝町〟から第三部の〝街〟へ。幻想と現世を往還する物語が、ふたたび動き出す……。
*なお巻末には、この作品の成立をめぐり、著者による「あとがき」が付されている。

 

おすすめ新刊紹介「新書」

詭弁と論破    対立を生みだす仕組みを哲学する

出版社 朝日新聞出版
発刊日付 2025年4月11日
著者 戸谷洋志
本体価格 990円(本体900円+税)
ISBN 9784022953100
「それってあなたの感想ですよね?」「嘘つくのやめてもらってもいいですか?」――。
論破芸、エビデンス至上主義、ポスト・トゥルース……時として明らかな事実誤認や思い込みに、なぜ現代社会は翻弄されてしまうのか。
その脅威に対して、どのように抵抗すべきなのか。
ソーシャルメディアによって、対立が先鋭化・過激化するなか、論破がもたらす詭弁の“落とし穴”を考察するとともに、
コミュニケーションの深層、持続可能な議論のあり方を、気鋭の哲学者が模索する。

 

おすすめ新刊紹介「一般書」

珈琲怪談

出版社 幻冬舎
発刊日付 2025年4月16日
著者 恩田陸
本体価格 1,980円(本体1,800円+税)
ISBN 9784344044210
なんか、怖い話ない?

異界が覗き、怪異の似合う古い街。
男たちが喫茶店に集ってすること、とは――。

男子会で、ホラーをダベる。京都、横浜、東京、神戸、大阪、再びの京都――。なぜ多忙な四人の男たち(外科医、検事、作曲家、音楽プロデューサー)は、わざわざ遠出して喫茶店を何軒もハシゴしながら、怪談を披露し合うのか――。そして、いつも茫洋としているが、気づくとなにか肝心なことをぼそっと呟く塚崎多聞とは誰なのか?

ホラー小説家としてデビュー(『六番目の小夜子』)した著者による、深煎りネルドリップ、男子ホラーはいかが? 奇妙な味がじわじわ恐い(ほぼ実話)全6編。

 

おすすめ新刊紹介「人文書」

新訳 金瓶梅 下巻

出版社 鳥影社
発刊日付 2025年4月18日
著者 田中 智行 (翻訳)
本体価格 3,850円(本体3,500円+税)
ISBN 9784867821565
ついに完結
明代の驚異の書
真価を問う全訳

「同時代の小説に、これを越えるものはない」(魯迅)
リアリズム小説の雄編か、堕落した性生活を描く淫猥の作か。
四百年の毀誉褒貶をあびつつ幻の名著であり続けた驚異の書。
徹底した訳文の検討によりその真価を問う新訳、ついに完結。

 

おすすめ新刊紹介「理工書」

恐竜学

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2025年4月25日
著者 小林 快次 (著)
本体価格 6,380円(税込)(本体5,800円+税)
ISBN 978-4130602600
恐竜研究の最前線を体系化! 恐竜の分類、進化、生理、生態、そして日本の恐竜について、気鋭の研究者たちが詳述する。日本オリジナルの初めての専門書。恐竜に興味を持つ好奇心旺盛な子どもたちから研究者まで、すべての恐竜ファンのためのバイブル!

 

ヒルベルトの23問題に挑んだ数学者たち

出版社 みすず書房
発刊日付 2025年4月18日
著者 ベンジャミン・H・ヤンデル (原著), 細川尋史 (翻訳)
本体価格 6,930円(税込)(本体6,300円+税)
ISBN 978-4622097723
◆20世紀数学の原点からの発展を描く、数学読み物の傑作。「ヒルベルトの問題」として知られる23の問題の影響を丹念にたどり、新しい数学を拓いた俊秀たちの思索の精華を跡づける。
◆「歴史と数学のさまざまな潮流に光を当て、それらを素晴らしく知的で壮麗なタペストリーへと織り上げている……ひとことで言えば、これは驚嘆すべき本だ。かなりの年月を振り返って鑑みても、私が読んだ数学書のなかでベストワン」(J・スティルウェル)。
◆著者の没後,アメリカ数学協会(MAA)のオイラー図書賞を特例的に受賞した卓越の書。待望の邦訳。
◆巻末にヒルベルトの記念碑的講演論文「数学の問題」の全訳を付録。

 

行列と行列式の基礎: 線型代数入門

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2025年4月3日
著者 池田 岳 (著)
本体価格 2,970円(税込)(本体2,700円+税)
ISBN 978-4130629317
線型代数はここからはじまる!
基礎をしっかり固める本格入門書 応用への道しるべも

●基礎概念を丁寧に動機付ける
●じっくり考えながら一歩ずつ進んでゆける
●特異値分解、ペロン・フロベニウスの定理なども解説

線型代数学は、さまざまな分野に応用され、文系・理系を問わず、学ぶ価値のある重要な学問である。本書はその基礎について、ていねいに動機付けをし、重複をいとわずいろいろな角度から解説。教科書・自習書として役立つよう、さまざまな工夫をこらす。応用にも役に立つ、確率行列の性質やペロン・フロベニウスの定理、特異値分解などを紹介。一例としてGoogleの検索エンジンに使われているPageRankについてもふれる。

 

解いてわかる 初等整数論: 合同式で楽しむ数学の世界

出版社 森北出版
発刊日付 2025年4月1日
著者 吉井洋二 (著)
本体価格 3,520円(税込)(本体3,200円+税)
ISBN 978-4627084315
概念ばかり学んで使えるようになりにくい初等整数論ですが、本書はこの分野の「ことば」である合同式に関する問題を多数取り上げ、解きながら理解を深められるようになっています。

具体例から始め、なるべく高校数学の知識で読めるようやさしく解説し、発展的な箇所もていねいにフォローしています。
硬い教科書スタイルではなく、物語のように流れをもって書かれているので、証明など難しい部分を飛ばして読むだけでも、おもしろさや魅力を感じられることでしょう。

序盤では、オイラーの定理、中国剰余定理などの有名定理やインバースという重要概念を取り上げ、それらを使って具体的な合同式の問題を解いていきます。
中盤では、平方剰余の定理や原始根のほか、小学校以来なじみのある循環小数についても深く考察します。さらに複雑な合同式の問題にも挑戦していきます。
終盤では、中盤での話題に関連して、群論の基礎を解説します。また、ガウス整数などの必須のトピックスについて考察し、abc予想にも触れています。

初等整数論の世界に興味のあるすべての方に、おすすめの一冊です。

 

位相空間の道標: 基礎から位相不変量まで

出版社 共立出版
発刊日付 2025年431日
著者 小池 直之 (著)
本体価格 4,070円(税込)(本体3,700円+税)
ISBN 978-4320115767
位相空間を視覚的に捉えられる例を多数掲載。ホモトピー群やホモロジー群などの位相不変量を導入し、位相幾何学の初歩までをカバー。

本書では、位相空間の様々な性質を定義したあと、視覚的に捉えることのできる例を多数取り上げる。位相空間の例を図解することにより、その位相的性質についての本質的意味を掴むことができる。
また、位相空間論における究極のテーマとして「位相空間の同相類をすべて分類すること」があげられる。2つの位相空間が同相であることを示すためには実際にそれらの間の同相写像を作ればよいが、同相でないことを示すためには位相不変量という道具を用いることが常套手段となっている。そのため本書の後半では、ホモトピー群やホモロジー群について解説し、前半部で学んだ内容へのフィードバックも行うようにしている。

 

はじめてのフーリエ解析・ラプラス変換

出版社 共立出版
発刊日付 2025年4月22日
著者 山林 由明 (著)
本体価格 3,190円(税込)(本体2,900円+税)
ISBN 978-4320115828
フーリエ解析・ラプラス変換の初学者向けテキスト。
予備知識の復習から重要な定理・公式に至るまで式変形をなるべく省略せずに解説。

フーリエ解析、ラプラス変換、相関関数などは理工学を志す人たちにとって重要な基礎知識です。本書ではそれらを理解することを目標に、微積分や三角関数、複素数にそれほど慣れていない初学者を対象として、必要となる知識の復習から始めて重要な定理や公式に至るまで、式変形もできるだけ省略せずに解説しました。また、本書を読むにあたって、他のページを探しまわることなくその部分だけ読んでも手早く理解できるように工夫しています。

 

経営に活かす微分積分: 基礎からPythonを用いた応用まで

出版社 共立出版
発刊日付 2025年4月22日
著者 岩城 秀樹 (著), 岩澤 佳太 (著)
本体価格 2,970円(税込)(本体2,700円+税)
ISBN 978-4320115811
機械学習やAI(人工知能)の進展によって、経営戦略論、組織論、人事・労務管理論、マーケティング、会計、ファイナンスといった経営学における諸専門分野においても、数理的アプローチやデータ分析の素養を身につけることが必要不可欠なものとなりつつある。本書は、それに先立ち、上記分野への応用を目的とした数学的基礎知識のうち、「微分・積分」を扱うテキストである。
本書は、上記分野への応用を目的とするため、本書で扱う微分・積分の知識が経営学の諸領域にどのように繋がり応用可能なのかを随所にケース問題として例示することによって、学習者の動機付を促している。また、実際のAIにおいて最も多く使われているプログラミング言語であるPythonの習熟も視野に入れ、Python記号演算ライブラリSymPyスクリプトを用いた演習問題を配置している。これは、文系に分類されている経営学では、理系大学教養レベルでの、微分・積分の計算を中心とした演習方法は適当ではなく、計算などの演算処理はPythonで行い、計算力よりも「どのような計算を行わせれば、どのような結果が得られるのか」という論理的思考力の涵養が重要と考えたからである。さらに、本書では、文系学習者を想定し、平易で具体的な内容から次第に抽象的な内容になるようになっている。加えて、他の微積分の教科書と異なり、経営系での応用のための基礎をなすことを意図することから、初めに、キャッシュフロー評価の基礎となる数列を第1章に配置し、その後、経営問題における因果関係をモデル化して解析するために必須となる関数を学習したうえで、微分・積分の学習に入っている。最終章の積分では、経営系に必須と言える確率・統計への応用を意図して正規分布の確率密度関数と積率についても説明を加えている。付録にPython基本操作方法をつけ、Pythonの事前知識がなくても本文のスクリプトが理解できるよう配慮している。

 

微分・積分

出版社 共立出版
発刊日付 2025年4月11日
著者 高瀬 将道 (著), 清水 達郎 (著)
本体価格 2,530円(税込)(本体2,300円+税)
ISBN 978-4320115842
本書は、微分積分学の実用的な教科書である。前半11章で微分(1変数および2変数関数)が、後半11章で積分(1変数および2変数関数)が扱われる。通年の授業の教科書とした場合、この構成により、高校数学とオーバーラップする事項が前期・後期に分散する。本書にはこのメリットを大いに活かすための工夫が随所にあり、高校数学との接続が滑らかになっている。同時に、Taylorの定理に計4章、広義積分および平均や重心を含む重積分の応用にも計4章が割かれ、大学ならではの事項の扱いは圧迫されていない。
各章は、6ページ前後の本文と非常に多くの章末問題から成る。本文については、脚註のヒントや参考文献の活用によって複雑な議論が回避され、テンポよく学習できるものになっている。章末問題は例題・類題・発展の3種類に分割され、例題には詳しい解答が与えられるため、演習の授業にも使える。また全体を通じて、曲面のグラフなどの図がふんだんに使われており、計算の意味が視覚的に捉えられるようになっている。
本書の豊富で難易度も幅広い演習問題をこなすことにより、情報系・経済系・環境系・工学系を含む、微分・積分を駆使する多くの分野で必要な「calculus」の実力を身に付けることができる。

 

微分方程式の数値解析とデータサイエンス

出版社 サイエンス社
発刊日付 2025年4月24日
著者 宮武 勇登 (著), 佐藤 峻 (著)
本体価格 2,530円(税込)(本体2,300円+税)
ISBN 978-4781916323
近年,デジタル画像の処理や,物理現象の観測データからその現象を記述する微分方程式のパラメータを推定する問題など,データサイエンス領域で微分方程式が積極的に活用されている.本書では,データサイエンスへの応用や関連を意識した,常微分方程式の初期値問題と,Runge-Kutta法などに代表される一段法に焦点を当てて微分方程式の数値解析の入門的解説を行う.

【主要目次】微分方程式およびその数値解法とデータサイエンス/常微分方程式とその数値解法/随伴法/動的低ランク近似/最適化/モデル縮減/微分方程式の数値計算の不確実性定量化

 

数学の窓から: 科学と人間性

出版社 河出書房新社
発刊日付 2025年4月24日
著者 小倉 金之助 (著)
本体価格 2,640円(税込)(本体2,400円+税)
ISBN 978-4309254807
名随筆家でもあった数学者の代表的随筆集の復刊。「数学と民族性」「統計の話」「黒板は何処から来たのか」など、興味津々の内容。

 

並行宇宙は実在するか――この世界について知りうる限界を探る

出版社 みすず書房
発刊日付 2025年4月18日
著者 田中 一義 (著)
本体価格 松下安武 (著), 野村泰紀 (監修)
ISBN 978-4622097693
「この夜空の先はどうなっているのだろう」「この世界は無限に続いているのだろうか」。誰もが一度は考えたことのある素朴な問いを突き詰めると、「私たちの宇宙以外にも、無数の並行宇宙が存在する」というとんでもない理論に辿りつく。その過程を解説し、検証可能性にも触れる書。巻末に監修者の解説「並行宇宙論の衝撃」を付す。サイエンスライターによる丁寧な解説と最前線の研究者のビジョンが織りなす1冊。図版約80点収録。

 

進化の原理と基礎: 計算機シミュレーションで理解する進化の物理

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2025年3月28日
著者 市橋 伯一 (著), 金井 雄樹 (著)
本体価格 3,630円(税込)(本体3,300円+税)
ISBN 978-4130626286
進化とはアルゴリズムである
進化は生物に限られた現象ではなく一種のアルゴリズムであり、ある条件を満たせばあらゆるものに起こる。本書はこの視点から、シミュレーションなどを用いてその原理を分析、一つの物理現象に過ぎない進化が、いかにして驚くべき「進化現象」をもたらすかを説明する。

 

入門講義 量子情報科学 (KS物理専門書)

出版社 講談社
発刊日付 2025年4月24日
著者 渡邊 靖志 (著)
本体価格 3,850円(税込)(本体3,500円+税)
ISBN 978-4065392539
量子力学と情報科学との融合が織りなす新領域、「量子情報科学」。近年の発展著しいこの分野を、量子コンピュータ・量子暗号・量子通信の3つを軸として、基礎から最前線まで見渡す。量子時代を担う若手に必携の一冊!

【おもな内容】
第1章 量子力学と情報科学
第2章 量子計算の数理
第3章 量子計算
第4章 量子アルゴリズム
第5章 量子ビット候補と操作法
第6章 量子情報通信の数理
第7章 古典エントロピーと量子エントロピー
第8章 エンタングルメントと量子情報通信
第9章 量子通信路符号化
第10章 量子光通信
第11章 量子暗号
第12章 量子誤り訂正符号と耐故障性計算
第13章 量子情報科学の現状と展望
付録A 情報科学の数理
付録B 量子ビットの数理
付録C 計算量理論
付録D アルゴリズムの数式
 

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