2025.06.04 今月のおすすめ書籍(2025年6月)

 

おすすめ新刊紹介「文庫」

地図と拳 上

出版社 集英社
発刊日付 2025年6月20日
著者 小川哲
本体価格 913円(本体830円+税)
ISBN 9784087447774
【第168回直木賞受賞作】
【第13回山田風太郎賞受賞作】

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」

日本からの密偵に通訳として帯同した細川。
ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。
桃源郷の噂に騙されて移住した孫悟空。
地図に描かれた存在しないはずの島を探し、海を渡った須野。
日露戦争前夜、満洲の名もなき都市に呼び寄せられた人々は、
「燃える土」をめぐり殺戮の半世紀を生きる。
広大な白紙の地図を握りしめ、彼らがそこに思い描いた夢とは――。

【著者紹介】
1986年千葉県千葉市生まれ。2015年「ユートロニカのこちら側」で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。2017年『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。22年『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、翌年同作で第168回直木三十五賞を受賞。同年『君のクイズ』で第76回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞。その他の著書に『嘘と正典』『君が手にするはずだった黄金について』『スメラミシング』など。

 

地図と拳 下

出版社 集英社
発刊日付 2025年6月20日
著者 小川哲
本体価格 913円(本体830円+税)
ISBN 9784087447781
【第168回直木賞受賞作】
【第13回山田風太郎賞受賞作】

ひとつの都市が現われ、そして消えた。

1932年、満洲国建国。
明男が建築学徒として携わった仙桃城は、立派な都市に発展した。
一方、乱暴な支配に苦しむ地元住民との対立は激化。
明男がダンスホールで出会った孫丞琳も、抗日軍の一人だった。
細川は、リットン卿の調査を受け、戦争構造学研究所を設立。
十年先の未来を予測しようとするが……。
人はなぜ拳を振りあげ、戦争へと向かってしまうのか。
圧倒的スケールで描き切る歴史×空想巨編。

 

この夏の星を見る 上 一般文庫版

代替文字
出版社 KADOKAWA
発刊日付 2025年6月17日
著者 辻村 深月
本体価格 902円(本体820円+税)
ISBN 9784041162910
この物語は、あなたの宝物になる。

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。

 

この夏の星を見る 下 一般文庫版

出版社 KADOKAWA
発刊日付 2025年6月17日
著者 辻村 深月
本体価格 902円(本体820円+税)
ISBN 9784041162903
映画化決定! 2025年7月4日(金) 全国ロードショー!

コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。

 

成瀬は天下を取りにいく 文庫版

出版社 新潮社
発刊日付 2025年6月25日
著者 宮島未奈
本体価格 693円(本体630円+税)
ISBN 9784101061412
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武大津店に毎日通い、ローカル番組の中継に映るといいだした。さらに、お笑いコンビ・ゼゼカラでM-1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。最高の主人公の登場に、目が離せない! 本屋大賞を受賞した圧巻の青春小説!

 

おすすめ新刊紹介「新書」

経済学者のアタマの中

出版社 筑摩書房
発刊日付 2025年6月11日
著者 大竹文雄
本体価格 1,034円(本体940円+税)
ISBN 9784480685254
「お金のこと」も
「社会をよくすること」も
考える。

経済学者が日々考えているのは「世の中をよくするための仕組み」です。
伝統的経済学、行動経済学の考え方の本質と、学問全体の見取り図がわかる「経済学」入門!
第一人者が案内します。

大竹文雄、最新著書!
(大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授、大阪大学大学院経済学研究科教授(兼))

「私はなぜ経済学を学び、
経済学は今、何ができるのか」
を語り尽くす。

【「はじめに」より】
皆さんは「経済学は自分がお金儲けすることばかり考える分野だろう」と思っていませんか? それは経済学に対する大いなる誤解です。……
実際の経済学には、お金やお金儲け自体を研究する分野はあまり多くありません。お金そのものを研究対象にしているのは、金融という分野です。経済学では、企業がお金儲けを目標にして経営されていることを前提にしていますが、だからといって、お金儲けをする方法を経済学者が研究しているわけではないのです。
私を含め、経済学者が日々考えているのは「世の中をよくするためにどうすればよいのか」ということです。具体的には、貧しい人を少しでも豊かにするにはどうすればいいのか、どうすれば失業者を減らせるのか、公的な医療保険をどうすれば維持できるのか、という社会をよりよくするものが典型的です。それだけではありません。老後の生活のための貯蓄をする、宿題を先延ばししないようにするといった目標達成のための方法、職場での労働意欲を高める方法、子育てのヒント、といった家庭や職場をよりよくするための方法も考えているのです。このように、経済学の考え方に基づいて、世の中の動きや仕組みを解釈したり、解決策を提案したりするための研究をしているのが経済学者です。
……この本では、どうすれば社会はよりよくなるのかをいつも考えている経済学者のアタマの中を紹介します。

 

おすすめ新刊紹介「一般書」

携帯遺産

出版社 朝日新聞出版
発刊日付 2025年6月6日
著者 鈴木結生
本体価格 1,870円(本体1,700円+税)
ISBN 9784022520609
作者自ら“私のすべて”と語る、渾身の芥川賞受賞第一作!

実家の焼失、震災、父の失踪。
小説家が「自分の人生」を小説にするとき、ついに見つけたもの──。

小雨降る四月の晩、人気ファンタジー作家の舟暮按は、知己の編集者から自伝小説の執筆を依頼される。
〈飛行〉と〈蒐集〉を手掛かりに、膨大な「人生の記録」を探索するなか、やがて彼女は生き別れた父を求め始め……。
『ゲーテはすべてを言った』に続く、新しい愛の物語!

 

おすすめ新刊紹介「人文書」

二十一世紀の荒地へ 

出版社 以文社
発刊日付 2025年6月16日
著者 酒井 直樹 (著), 坪井 秀人 (著)
本体価格 4,400円(本体4,000円+税)
ISBN 9784753103942
20世紀の〈荒地〉から、21世紀の〈荒地〉へ――。

2001年9月11日に起きた、アメリカ・NYでの世界貿易センタービル爆破の記憶が生々しい最中に開始された、T・S・エリオットの『荒地』/鮎川信夫らの「荒地」派詩人という2つの〈荒地〉をめぐる対話。

その後、9回にわたって続けられた『現代詩手帖』誌上での往復書簡のやりとりは、日本の近代化と国民語/国語の成立、植民地主義と戦争、戦後の冷戦体制とその崩壊、パックスアメリカーナの拡大とその終焉へと射程を広げ、21世紀の歴史を批判的に読み解く。

21世紀、最初の四半世紀において紡がれたこの対話は、20世紀の2つの〈荒地〉における問いを引き継ぐとともに、戦後の〈帝国〉の喪失のなかで、いかなる思想をたちあげうるのか、その可能性と限界に示唆を与える、ひとつの理論的達成である。

渡邊英理氏(『中上健次論』著者)を迎えての特別鼎談を終章として掲載。

 

おすすめ新刊紹介「理工書」

統計学の考え方: データ分析の本質を捉え,推定・検定を正しく理解する

出版社 共立出版
発刊日付 2025年6月4日
著者 廣瀬 慧 (著)
本体価格 2,970円(税込)(本体2,700円+税)
ISBN 978-4320115866
本書は、データ分析と統計学の接点をわかりやすく解説し、統計学の本質を理解するための第一歩となることを目指した入門書です。 統計学は、データの背後にある法則や規則性を見出し、科学や産業における意思決定を支える重要な学問ですが、その学習には「実用的なデータ分析とのつながりが見えにくい」「高度な数学的知識が求められる」という二つのハードルがあります。本書は、これらのハードルを(一部ではありますが)乗り越え、統計学の魅力を理解できるよう、さまざまな工夫を凝らして書かれています。たとえば、本書では数式を「理解を深めるための道具」として位置づけ、単に式を羅列するのではなく、それぞれの式が何を意味するのかを具体例とともに丁寧に説明しています。

本書は、統計学を初めて学ぶ方はもちろん、データ分析を実務で活用する方、高校で統計を教える先生、研究者、さらには興味のある中高生にも役立つ内容です。数理統計学の専門書を読む前の導入書として最適であり、統計学を学ぶ楽しさを感じ、データ分析の可能性を広げるきっかけとなるよう、できるだけわかりやすくまとめました。

 

数学の現在π×i 

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2025年6月26日
著者 斎藤 毅 (編集), 河東 泰之 (編集), 小林 俊行 (編集)
本体価格 3,080円(税込)(本体2,800円+税)
ISBN 978-4130639071
自由な想像力が生み出す世界
微積分や線形代数の先には、どのような世界がくりひろげられているのだろう。東大数理の執筆陣が、いま数学ではどのようなおもしろい研究がおこなわれているのかを、初学者に向けて生き生きと紹介。好評を博した『数学の現在 i,π,e』の続編。
●取り上げる内容●
ガロア表現、巨大基数、K3曲面、曲率の爆発、圏化 etc.

 

数学の現在e+π 

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2025年6月25日
著者 斎藤 毅 (編集), 河東 泰之 (編集), 小林 俊行 (編集)
本体価格 3,080円(税込)(本体2,800円+税)
ISBN 9784130639088
創造的なドラマの誕生
微積分や線形代数の先には、どのような世界がくりひろげられているのだろう。東大数理の執筆陣が、いま数学ではどのようなおもしろい研究がおこなわれているのかを、初学者に向けて生き生きと紹介。好評を博した『数学の現在 i,π,e』の続編。

●取り上げる内容●
幾何化予想、エルゴード定理、ファインマン図形、レヴィ過程、非線形発展方程式 etc.

 

数理論理学

出版社 森北出版
発刊日付 2025年6月24日
著者 嘉田勝 (著)
本体価格 3,520円(税込)(本体3,200円+税)
ISBN 978-4627097513
「ゲーデルの完全性定理」と「ゲーデルの不完全性定理」への到達を目標とした入門書.

重要なトピックをおさえつつ,初学者にとって学びやすいルートでわかりやすく解説.
数理論理学の基本的なコンセプトや議論のスタイルに慣れ親しむことができるように配慮されています.

本格的な説明の前に,構文論と意味論,健全性と完全性,命題論理と述語論理という観点でていねいに整理しています.
そのうえで第I部ではゲーデルの完全性定理,第II部ではゲーデルの不完全性定理を目標として,それぞれ必要な内容に絞ってルートを構成しているので,初学者でも道に迷うことなく一歩ずつ進むことができます.

『数学の証明とは何でしょうか?(…)証明されたことはなぜ「正しい」といえるのでしょうか? 逆に,正しいことは必ず「証明できる」でしょうか? 言い換えれば,証明が数学の正しさを保証する手続きとして信頼できる根拠はどこにあるのでしょうか? 本書では,数学の証明が「正しさの保証」として信頼に足る根拠に光を当てます.』(「第1章 導入」より)

 

コンピュータビジョン最前線 Summer

出版社 共立出版
発刊日付 2025年6月10日
著者 井尻善久 (著), 牛久祥孝 (著), 片岡裕雄 (著), 藤吉弘亘 (著), & 1 その他
本体価格 3,300円(税込)(本体3,000円+税)
ISBN 978-4320125568
【最新動向サーベイ】
・イマドキノ物体検出:物体検出は、画像認識の中でも重要なタスクの一つである。従来の典型的な物体検出の技術は成熟してきており、研究者はより発展的なタスク設定に取り組むことが増えている。一方で、物体検出は、実応用や他のコンピュータビジョンタスクで活用されることが多いが、それらの応用に物体検出は不要なのではないかという説が議論されるようになった。本記事では、最新の動向に焦点を当て、物体検出の広がり、そして終わりの可能性について紹介する。
・イマドキノ局所特徴点マッチング:画像局所特徴とは、画像内の局所的なパターンなどの特徴を特徴ベクトルとして記述し、2画像間のマッチングに用いる手法である。本記事では、画像局所特徴として一世を風靡したSIFT について、どのような背景下で生まれ、どのように深層学習に至るまで発展を遂げたのかを振り返る。
・イマドキノ3次元復元:撮影された画像からシーンの3 次元構造を推定するタスクはコンピュータビジョンにおける重要な研究分野であり、幅広い分野において活用されている。本記事では、大規模な3D データセットを学習し、2 枚の入力画像から3 次元点マップを推論するアプローチと、学習時に明示的な3D 教師データを必要としない、1 枚の入力画像から3 次元表現を推論するアプローチの2 種類を紹介する。
・イマドキノ偏光CV:光は電磁波の一部であり、人間はそのさらに一側面しか知覚できない。一方で、偏光には、反射時のふるまいが電磁気学から理論的に導出できるなど、可視光にはない特徴がある。本記事では、偏光の基礎からその取り扱い方、最新研究など、現在の偏光CV を取り巻く状況を解説する。

 

新装改版 微分積分学

出版社 サイエンス社
発刊日付 2025年6月23日
著者 笠原 晧司 (著)
本体価格 2,750円(税込)(本体2,500円+税)
ISBN 978-4781916354
1974年の刊行以来好評を得てきたテキストを見やすく親しみやすいものに組み直した新装改版.理論の構成は明快かつ厳密に解説.高次元の理論はベクトル表示など簡潔な表現を用いてあいまいさを避け具体的な理解から遊離せぬよう配慮した好個の教科・参考書.

【主要目次】集合と関数/微積分の基礎/無限小解析/関数列の収束/多変数の関数/微積分の種々の応用/リーマン積分とその応用/付録

 

シュヴァレー群と代数群

出版社 日本評論社 
発刊日付 2025年6月30日
著者 庄司 俊明 (著)
本体価格 6,600円(税込)(本体6,000円+税)
ISBN 978-4535798403
【内容紹介】
画期的な入門教科書が誕生! リー環から始め、シュヴァレー群を通じたアプローチにより代数群を学び、さらに量子群も考察する。

第1章 半単純Lie環
第2章 Chevalley群
第3章 代数群
第4章 量子群
附章A 代数幾何からの準備
附章B 簡約代数群のスキーム論的構成
附章C Lusztig予想

 

離散幾何解析へのいざない 数学から物質科学へ

出版社 日本評論社
発刊日付 2025年6月16日
著者 小谷 元子 (著), 内藤 久資 (著)
本体価格 2,640円(税込)(本体2,400円+税)
ISBN 978-4535787223
プロモーション情報 「予約商品の価格保証」対象商品。 規約
【内容紹介】
ミクロの世界をマクロな現象を理解する幾何と解析でつなぐ離散幾何解析。基礎から物質科学への応用までを平易な言葉で伝える。

【目次】
第1章 基礎知識速成コース
第2章 結晶格子
第3章 準結晶
第4章 低次元離散構造
第5章 物質科学への展開

 

初学者のために何度も書き直した 基礎からの「ガロア理論」

出版社 日本能率協会マネジメントセンター
発刊日付 2025年6月24日
著者 廣津 孝 (著)
本体価格 3,300円(税込)(本体3,000円+税)
ISBN 978-4800593405
2次方程式には古代から知られる解の公式があり、3次方程式、4次方程式にもそれぞれカルダーノの公式、フェラーリの公式と呼ばれる16世紀に発見された解の公式がある。“5次以上の方程式にも同様の代数的な解の公式は存在するか”という問題は、長らく未解決であったが、19世紀前半、N・アーベル、P・ルフィニによって否定的に解決された。E・ガロア(Évariste Galois、1811~1832年)は、代数方程式の可解性、つまりこのような解の公式が存在するかどうかは解の対称性を表す「群」の性質によって判定できることを示し、その応用としてアーベル=ルフィニの定理の画期的な再証明を与えたが、若くして悲劇的な死を遂げた。彼の理論は、その先駆性ゆえにしばらく受け入れられなかったが、後に整理された群の理論、新しく整備された「体の代数拡大」の理論とともにまとめられて、今日では「ガロア理論」として広く利用されている。これは、例えば、代数的整数論、類体論、数論幾何学などの数論の諸理論の基礎として位置付けられており、現代数学の多くの理論のひな形をなす重要な理論である。
本書では、「代数方程式の可解性」、「アーベル=ルフィニの定理の証明」を目標に、現代数学の立場からガロア理論の解説を行う。また、「ギリシアの3大作図問題」、近年の話題からその幾何学的応用についても触れ、特に最近筆者によって解決された平面上の「角の有理二等分問題」についても簡単な解説を述べる。

<初学者向けの構成>群論を出発点としない段階的な理論構成で高等数学(文系)程度の予備知識で大丈夫
<ミニマム>周辺の諸概念・定理には深入りしないため、短期間で理論の本質が完結に理解できます
<オール・イン・ワン>主定理まで重要な照明の省略は原則なし、一冊で「ガロア理論」までたどり着けます

 

新装版 大学院への幾何学演習

出版社 現代数学社
発刊日付 2025年6月21日
著者 河野 明、三村 護、吉岡 巌 (著)
本体価格 4,730円(税込)(本体4,400円+税)
ISBN 978-4768706688
全国の大学院入試で出題された幾何関連問題を精選・解説し,位相空間論から代数・微分トポロジーまでを体系的に学べる参考書.練習問題や参考文献も充実.受験対策だけでなく幾何学全般の理解にも役立つ一冊です. 内容:(第1部:位相空間論位相の導入/連続写像/閉写像と開写像/商写像と商空間/コンパクト性/連結性) (第2部:多様体の幾何学と代数トポロジ一基本的問題/古典群/可微分多様体の幾何学/基本群/高次ホモトピー群/ホモロジ一群とコホモロジ一群)

 

量子測定と量子制御[増訂第3版]: 量子技術から数理構造まで (SGC Books)

出版社 サイエンス社
発刊日付 2025年6月2日
著者 沙川 貴大 (著), 上田 正仁 (著)
本体価格 3,520円(税込)(本体3,200円+税)
ISBN 978-4781916316
初版刊行から9年,量子測定,量子制御,および量子開放系のダイナミクスの定番書として確固たる地位を築き上げてきた書の待望の単行本化.第3章の量子推定理論に加筆を行った.本章の加筆部分では,近年の量子アルゴリズムや量子コンピュータの観点からも注目されているトピックである,ハイゼンベルク限界と量子誤り抑制への応用を議論している.さらに,付録Dを新たに追加し,量子論の代数的定式化についての解説を行い,より一層充実した決定版となっている.

【主要目次】

量子論の基本概念/量子測定理論/量子状態推定/量子マスター方程式/確率マスター方程式/量子フィードバック制御/量子確率過程/非マルコフ過程/光と原子の物理/古典確率過程と古典制御理論/カルデラ・レゲット模型/量子論の代数的定式化

 

分子の対称性と群論入門: 点群の指標表と応用

出版社 裳華房
発刊日付 2025年6月2日
著者 中田 宗隆 (著)
本体価格 2,860円(税込)(本体2,600円+税)
ISBN 978-4785335311
分子の対称性と群論分子の物理的・化学的性質の多くは、その幾何学的構造の対称性によっている。
「群論」は分子構造の対称性を理解するための強力なツールであり、群論を化学に応用するうえで欠かせないのが「点群の指標表」を正しく読み解くことである。
本書は、点群の指標表の読み方を身につけ、振動スペクトル、原子軌道、分子軌道といったさまざまな分野に応用するための参考書である。むずかしい数式を使わず平易かつ丁寧に書かれた解説を読み、さらに多数配された練習問題・演習問題を解けば、群論の化学への応用の道が大きく開けるだろう。入門: 点群の指標表と応用

 

強相関電子系の第一原理計算と創発量子物質: 高温超伝導と量子スピン液体の物理

出版社 共立出版
発刊日付 2025年6月11日
著者 須藤 彰三 (監修), 岡 真 (監修), 今田 正俊 (著)
本体価格 2,640円(税込)(本体2,400円+税)
ISBN 978-4320035546
今世紀に入ってから顕著な発展を見せている強相関電子系のための第一原理計算手法とその応用および、そこから見えてきた強い電子相関が示す興味深い創発現象の一端を、最近の発展の最前線まで含めて見渡す一冊。

強相関電子系は常圧で高温超伝導体となったり、量子スピン液体とよばれる現象を示したりすることがある。高温超伝導も量子スピン液体も電子の多体相関が生み出す特異な性質であり、アインシュタインをはじめ多くの物理学者を悩ませ、また熱中させてきた量子もつれと量子多体相関にその本質があると信じられている。すなわち、きわめて基礎科学的なテーマであり、未知の基礎概念の開拓のフロンティアでもある。しかし、これらの興味深い現象を理解するには、20世紀に確立した理論物理学の枠組みでは十分ではないことが明らかとなった。
本書はこの難題を解決するために発展してきた計算科学手法開発の研究最前線を、その目標と物理的解釈を明示して初学者にもわかるように解説する。さらに手法を適用した例として、銅酸化物および鉄系物質の高温超伝導と分子固体に提唱されている量子スピン液体を取り上げて現状を概観している。特に、新たな計算手法を適用した10以上におよぶ物質の物質依存性と個性を第一原理的かつ定量的に再現しながら、一方で量子物質の特異な創発性を生み出すメカニズムとその普遍性を、現実物質に即して理解できることを強調して、この研究潮流の来し方、行く末を俯瞰している。

 

コア・テキスト 物理学: 現象に潜む普遍性の理解へ (ライブラリ物理学コア・テキスト)

出版社 サイエンス社 
発刊日付 2025年6月3日
著者 三角 樹弘 (著)
本体価格 3,080円(税込)(本体2,800円+税)
ISBN 978-4781916361
本書は理工系学部初年級の学生を対象とした物理学の入門書.日常生活との関連を挙げながら,現象の背後に存在する普遍性を理解できるように解説.理解を深めるため随所に概念図や例題を配置した好個の教科・参考書.

【主要目次】物理学の基礎事項/力学/熱力学・統計力学/電磁気学/現代物理学―相対論と量子論―

 

直感 LLM ―ハンズオンで動かして学ぶ大規模言語モデル入門

出版社 オライリー・ジャパン
発刊日付 2025年6月4日
著者 Jay Alammar (著), Maarten Grootendorst (著), & 1 その他
本体価格 4,840円(税込)(本体4,400円+税)
ISBN 978-4814401154
急速に進化する大規模言語モデル(LLM)を、視覚的に理解しながら実践的に学べるハンズオンガイド。本書では、Jupyter Notebookやクラウド上で実際にモデルを動かしながら学ぶことができます。大規模言語モデルに欠かせないTransformerの仕組みをはじめ、要約、セマンティック検索、テキスト分類、クラスタリング、RAG(検索拡張生成)といった技術も、図解とともに直感的に理解できます。豊富なコード例と既存ライブラリの活用法を通じて、直感を重視したアプローチでLLMを学びたい読者に最適な一冊です。

 

Pythonで動かして学ぶ!あたらしい数学の教科書 第2版 機械学習・深層学習に必要な基礎知識

出版社 翔泳社
発刊日付 2025年6月5日
著者 我妻 幸長 (著)
本体価格 3,080円(税込)(本体2,800円+税)
ISBN 978-4798185668
【本書の目的】
本書は線形代数、確率、統計/微分といったAI開発に必要な数学の基礎知識をコードを動かしながらわかりやすく解説した書籍です。

【対象読者】
・数学がAIや機械学習を勉強する際の障壁になっている方
・ビジネスでAIを扱う必要に迫られた方
・数学を改めて学び直したい方
・文系の方、非エンジニアの方で数学の知識に自信のない方
・コードを書きながら数学を学びたい方

【第2版のポイント】
・Python 3.12に対応
・Anaconda及びライブラリのバージョンアップに対応

 

Pythonによるアニーリングマシン入門: PyQUBOで解く最適化問題

出版社 共立出版
発刊日付 2025年6月4日
著者 棚橋 耕太郎 (著), 中田 百科 (著), 田中 宗 (監修)
本体価格 3,300円(税込)(本体3,000円+税)
ISBN 978-4320036369
世の中にはたくさんの組合せ最適化問題が存在しています。電車の運行計画、工場の生産スケジュール、チラシ上の商品のレイアウト、電子回路の最適な設計など、例を挙げるときりがありません。これらは従来、汎用的な数理最適化ソルバーを用いて解かれていましたが、2011年にD-Wave Systemsによって世界初の量子アニーリングマシンが開発されて以来、多くのアニーリングマシンが世の中に登場し、組合せ最適化問題に対する新しい技術的なアプローチとして注目されるようになりました。
ユーザがこれらのマシンを利用する際には、最適化問題の形式の一種であるイジングモデルやQUBO(Quadratic Unconstrained Binary Optimization)を作成してマシンに入力し、その解をビット列の出力として得ます。それぞれのアニーリングマシンはそれぞれ固有の動作原理を持っており、アニーリングマシンとしての特徴も非常に異なっていますが、解きたい問題をイジングモデルやQUBOにさえ変換できれば、どのようなアニーリングマシンであってもQUBOから問題を解いてくれます。

本書では、PythonライブラリのPyQUBOを用いることで最適化問題からQUBOを作成する方法を説明します。実際にアニーリングマシンで問題を解くには、パラメータの逐次調整や得られたビット列の解釈など、多くの処理が必要になります。この処理をしてくれるのがPyQUBOです。どのようなアニーリングマシンを使うかにかかわらず、組合せ最適化問題を記述してQUBOを生成し、マシンから返ってきたビット列を解釈する役割をPyQUBOが担ってくれます。また、QUBOは量子アニーリングだけでなく量子ゲート方式の最適化手法にも頻繁に登場します。そこで、PyQUBOを用いた量子最適化計算についても説明します。

 

機械学習のためのプライバシー保護

出版社 共立出版
発刊日付 2025年6月25日
著者 J. Morris Chang (著), Di Zhuang (著), & 5 その他
本体価格 5,170円(税込)(本体4,700円+税)
ISBN 978-4320125872
本書は、プライバシーに配慮しながら機械学習に取り組むための実践的なガイドブックです。
機械学習が社会実装されていく中で、さまざまな人々のパーソナルデータの活用には大きな期待が寄せられています。一方、パーソナルデータには他人に知られたくないセンシティブな情報が含まれることもあり、プライバシーへの配慮が求められています。プライバシー保護機械学習 (PPML) は、データのプライバシー保護と、機械学習モデルの有用性、の両立を図る研究領域であり、2010年代以降、北米を中心として社会実装が進められてきました。
本書では、PPMLの基礎知識から応用まで、幅広く取り扱います。近年の中心的技術である差分プライバシーをはじめとして、圧縮プライバシーやk-匿名化などの古典的なプライバシー保護技術についても解説します。また、これらのプライバシー保護技術の機械学習への統合に関して、ロジスティック回帰などの基礎的なもの、合成データの生成方法、データプラットフォームの構築方法といった実践的なユースケースを交えて紹介します。
本書の特長は、PPMLの基本的・実践的な手法をコード例 (Python) とともに学べる点です。そのため、プライバシーをどう保護するかの実践的スキルをステップバイステップで身につけることができます。先端的な研究に興味のある方だけでなく、産業界での適用に興味のある機械学習エンジニアやソフトウェア開発者にも有益な内容となっています。
 

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