2025.06.30 今月のおすすめ書籍(2025年7月)

 

おすすめ新刊紹介「文庫」

文庫版 近畿地方のある場所について

出版社 KADOKAWA
発刊日付 2025年7月25日
著者 背筋
本体価格 880円(本体800円+税)
ISBN 9784041026557
私、小澤雄也は本書の編集を手掛けた人間だ。
収録されているテキストは、様々な媒体から抜粋したものであり、
その全てが「近畿地方のある場所」に関連している。
なぜこのようなものを発表するに至ったのか。
その背景には、私の極私的な事情が絡んでいる。
それをどうかあなたに語らせてほしい。
私はある人物を探している。
その人物についての情報をお持ちの方はご連絡をいただけないだろうか。

※単行本とは内容が異なります。ご了承ください。
 

おすすめ新刊紹介「新書」

日本終戦史1944-1945
和平工作から昭和天皇の「聖断」まで

出版社 中央公論新社
発刊日付 2025年7月23日
著者 波多野澄雄
本体価格 1,210円(本体1,100円+税)
ISBN 9784121028679
大陸での日中戦争、真珠湾攻撃に始まる日米戦争、東南アジアでの日英戦争、原爆投下、敗戦前後の日ソ戦争。米英中ソとの複合戦争はいかに推移し、度重なる和平工作にもかかわらず、なぜ早期に終戦できなかったか。反対に本土決戦を目前に、なぜ「聖断」で終戦が可能となったか。新史料をふまえ、昭和天皇・近衛文麿・木戸幸一・鈴木貫太郎らの足跡を辿り、日本が対米和平を優先して大戦争を終結させた軌跡を巨細に描く。
 

おすすめ新刊紹介「一般書」

翠雨の人

出版社 新潮社
発刊日付 2025年7月30日
著者 伊与原新
本体価格 1,980円(本体1,800円+税)
ISBN 9784103362159
私は闘う。科学だけが導いてくれる真実を手に――。「雨は、なぜ降るのだろう」。少女時代に雨の原理に素朴な疑問を抱いて、戦前、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代から、科学の道を志した猿橋勝子。戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、後年、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげた。その生涯にわたる科学への情熱をよみがえらせる長篇小説。
『藍を継ぐ海』で科学の壮大さとあたたかさを伝えた著者による直木賞受賞第一作。
 

蛍たちの祈り

出版社 東京創元社
発刊日付 2025年7月22日
著者 町田 そのこ
本体価格 1,980円(本体1,800円+税)
ISBN 9784488029296
『52ヘルツのクジラたち』本屋大賞受賞作家、町田そのこ最新作!

蛍が舞う夜――山間にある小さな町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、どうしようもない状況に追い込まれ、互いの罪を隠し合う共犯者となった。それから十五年後、大人になった二人が再会したことをきっかけに、二人とその周囲の人生が大きく動き出す。同僚として、友人として、家族として……ぬぐい切れぬ「罪」の記憶に翻弄されながらも、真摯に生きた人々にあたたかなまなざしを注ぐ感動の傑作長編。
 

おすすめ新刊紹介「人文書」

到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学

出版社 書肆侃侃房
発刊日付 2025年7月11日
著者 渡邊英理
本体価格 2,640円(本体2,400円+税)(予価)
ISBN 9784863856783
不揃いなままで「わたし」が「わたしたち」になる──。
雑誌『サークル村』に集った石牟礼道子、中村きい子、森崎和江が聞書きなどの手法で切り拓いた新たな地平を、『中上健次論』が話題を呼んだ著者が「思想文学」の視点で読み解く渾身の書。

「『サークル村』を通して、彼女たちが手に入れたのは、儚い「わたし」(たち)の小さな「声」を顕すための言葉であったにちがいない。この新しい集団の言葉は、異質なものと接触し遭遇することで自らを鍛え、異質な他者とともに葛藤を抱えながらも不透明な現実を生きようとする言葉でなければならなかった。支配や権力、垂直的な位階制や序列的な差別から自由で、不揃いなままで水平的に「わたし」は「わたしたち」になる。 三人の女たちは、そのような「わたし」と「わたしたち」を創造/想像し、「わたし」と「わたしたち」とを表現しうる言葉を発明しようとしたのではなかったか」(渡邊英理)

・石牟礼道子(1927-2018)【熊本】……熊本県天草生まれ。詩人、作家。生後すぐに水俣へ。著書に『苦海浄土』『椿の海の記』『西南役伝説』ほか。
・中村きい子(1928-1996)【鹿児島】……鹿児島生まれ。小説家、作家。母をモデルにした小説『女と刀』は大きな話題を呼び、木下恵介監督によりドラマ化もされた。
・森崎和江(1927-2022)【福岡】……朝鮮大邱生まれ。詩人、作家。17歳で単身九州へ渡り、58年筑豊炭鉱近郊の中間に転居、谷川雁らと『サークル村』創刊。著書に『まっくら』『慶州は母の呼び声』『非所有の所有』など。
 

おすすめ新刊紹介「理工書」

フーリエ解析

出版社 飛翔舎
発刊日付 2025年7月15日
著者 村上 雅人 (著), 安富 律征 (著), 小林 忍 (著)
本体価格 2,860円(税込)(本体2,600円+税)
ISBN 978-4910879215
理工数学シリーズ第11弾 フーリエ解析 波動解析の基礎
本書では、物理現象である波を“どのように三角関数の級数に展開するか”を基本に、フーリエ解析の手法と、その応用をくわしく解説する。
フーリエ変換の変数変換という機能によって、解法困難な微分方程式が解法できることも理解できる。
19世紀にフ ーリエが発見したフーリエ級数の手法は、フーリエ変換を通して量子力学などの最先端分野へも拡がっていることもわかる。
 

もう一歩先へ進みたい人の 化学でつかえる線形代数

出版社 コロナ社 
発刊日付 2025年7月1日
著者 北條 博彦 (著)
本体価格 3,740円(税込)(本体3,400円+税)
ISBN 978-4339061338
学生:「これって『化学で使える線形代数』なんですか?」
教授:「ええ,でも『化学で閊(つか)える線形代数』ともかけてるんですよ」
学生:「あー,ダジャレなんですね。それにしても“閊える”ってすごい字ですね,門の中に山って」
教授:「しかも,困難を乗り越える“Hurdling”と,使いこなす“Handling”もかけてるんです」
学生:「あー,はいはい。でも線形代数って化学に必要なんですか?」
教授:「話すと長くなるけれども,・・・(以下略)」

本書は化学を専攻している人の視点で書いた線形代数の本です。化学ではいろいろな問題に出会いますが,その中には線形代数的な要素を隠しもったものがたくさんあります(特に化学系の学生にとって,量子化学のつまづきは,ほぼ線形代数部分でのつまづきです)。本書ではその中から代表的なものを拾いあげ,線形代数の顔をあらわにしながら,あわせて線形代数の用語やルールを説明していこうと考えました。
 

ヤング盤の組合せ論: 非可換シューア関数入門

出版社 共立出版
発刊日付 2025年7月3日
著者 岩尾 慎介 (著)
本体価格 3,520円(税込)(本体3,200円+税)
ISBN 978-4320115859
対称多項式の基礎から、最先端の内容である非可換シューア関数理論までを易しく解説。

対称多項式は数学の多様な分野で用いられる対象であり、その性質は代数方程式の解法や組合せ論に深く関わっている。対称多項式にはさまざまな種類があり、それらに名前を付けて整理するのにヤング図形が役立つ。

本書は、学部レベルの線形代数・代数学の知識を前提としてMacdonaldの教科書の内容を踏襲しながらも、余代数や双代数といった難解な部分に解説を加えることで、対称多項式の入門書を目指した。「解と係数の関係」として対称多項式に触れたことがある読者も、より広い応用を見つけることができるように工夫している。
本書のもう一つのテーマは非可換シューア関数の紹介である。重要なFomin-Greeneの定理を中心に、非可換変数でも従来の対称多項式理論と類似の構造が構築できることを示す。
 

格子グラフと確率モデル

出版社 日本評論社
発刊日付 2025年7月23日
著者 今野 紀雄 (著)
本体価格 4,290円(税込)(本体3,900円+税)
ISBN 978-4535790421
確率モデル(ドマニー-キンツェルモデル)と格子グラフに密接な関係があることに触れ、そのつながりを新たな視点から紹介する。
【目次】
第1章 [起] パス空間
第2章 [承] 格子グラフ
第3章 [転] 確率モデル
第4章 [結] 相転移現象
 

理工系のための入門数理統計学

出版社 東京図書
発刊日付 2025年7月10日
著者 安部 公輔 (著)
本体価格 2,860円(税込)(本体2,600円+税)
ISBN 978-4489024429
理工系大学の1年次に微分積分と線形代数を学んだ読者に向けた数理統計学の入門書。
高度な数学は用いず、章立ては読者便宜を図り、できるだけ早く推定論に進むため、
標準的な本であれば前半で扱う内容を後半に回し、必要になったときに参照する形をとった。
また、数理統計学の教科書としてはRの実行例も多く取り上げているのが特徴になっている。
本書で取り上げられなかった内容は筆者のサポートページで補足しているのでご覧いただきたい。
 

代数的整数論序説 オイラーからガウスへ

出版社 現代数学社
発刊日付 2025年7月21日
著者 高瀬 正仁 (著)
本体価格 3,850円(税込)(本体3,500円+税)
ISBN 978-4768706701
「なぜ素数はこうなるのか?」について,ガウス,オイラー,アーベルら研究をとおし深層に迫ります. 数学人なら興味を抱く,フェルマの欄外ノートとガウスの『アリトメチカ研究』から数論の源流を辿り,平方剰余から楕円関数,代数的整数論の芽生えへと至ります.
 

応用されるベクトル・行列・行列式

出版社 現代数学社
発刊日付 2025年7月21日
著者 田村 三郎 (著)
本体価格 2,750円(税込)(本体2,500円+税)
ISBN 978-4768706725
本書はベクトルや行列,行列式といった基本概念を丁寧に復習しながら,線形代数の具体的応用を多角的に考察します. 1. 線形代数の基礎的事項の復習を兼ねながら応用へと自 然に導入 2. 文科系の読者にも親しみやすく構成された応用事例 3. 数学的理論と社会的現象との接点を明確に示す
 

推しアンモナイト図鑑

出版社 技術評論社
発刊日付 2025年7月8日
著者 土屋 健 (著)
本体価格 3,960円(税込)(本体3,600円+税)
ISBN 978-4297150181
名前は知られている。けれど、本当の魅力はまだ広く知られていない——それがアンモナイト。
1万種を超える多様性を持ち、日本には世界的な化石産地が数多く存在します。
そんな“アンモナイト大国”である日本で、第一線の研究者14名に取材し、「あなたの推し標本」「あなたの推し話題」という2つの問いを投げかけました。
本書は、その回答をもとに、研究者たちがどうしても紹介したい標本や、語らずにいられない話題を詰め込んだ、他に類をみないアンモナイト本です。
標本は“種”ではなく“実物”にこだわり、同じ種でも異なる推しが登場。
話題も、教科書的な内容から最新研究まで、多彩に盛り込みました。
 

生物物理学

出版社 丸善出版
発刊日付 2025年7月2日
著者 高田 彰二 (著)
本体価格 4,950円(税込)(本体4,500円+税)
ISBN 978-4621311479
生命を理解するための基盤は、「あらゆる生命現象は物理法則に従う」という前提である。これを出発点として、文字どおり物理学に根ざして生き物を理解しようという試みが、生物物理学である。
本書は、京都大学での講義内容をベースに、それを発展させた内容を一部加えた、生物物理学の入門的教科書である。分子から細胞までのさまざまな現象を物理的・数理的にモデル化し、その振舞いを解説している。全体を通じて数式を用いた丁寧な説明を行い、基礎方程式からほとんどの数式を導出できるよう工夫している。
生命を構成する物質には、ミクロからマクロまで階層構造が存在する。本書はその階層に応じて、「第I部 状態論」「第II部 構造論」「第III部 細胞のシステム生物学」のIII部構成となっている。第I部は中間の階層にあたり、生体分子を少数の状態で記述し、状態間の遷移を簡単に計算することで、生体分子の構造・機能を理論的に取り扱う。2章の蛋白質の2状態モデルから始めて5章の生体分子機械論までの流れは本書の中心をなす部分である。第II部は、よりミクロな分子構造の階層を扱う。関連する物理学・化学の解説から、生体分子の構造や動態を、かなり物理学的に記述しており、生体分子の世界に興味のある物理・化学を志向した読者に向けたものである。原子・分子間の相互作用、生体分子のフォールディング、拡散や化学反応論の物理・化学を学ぶ。第III部は細胞スケールの、いわゆるシステム生物学を扱う。遺伝子発現制御の理論から電気生理学、シグナル伝達、代謝まで、内容は多岐にわたる。
予備知識として、高校レベルの生物学をウェブサポートページに、必要となる物理学を巻末補遺にまとめている。また読者への特典として、書籍内の問題の解答、数値解析のためのPythonプログラムをウェブサポートページにて提供する。
長年の講義をもとにまとめられた本書は、生物物理の幅広いテーマをカバーしており、生命科学・物理学・化学などを専攻する大学生~大学院生の講義用・自習用として最適の一冊である。
 

生成AIのプロンプトエンジニアリング ―信頼できる生成AIの出力を得るための普遍的な入力の原則

出版社 オライリー・ジャパン
発刊日付 2025年7月9日
著者 James Phoenix (著), & 7 その他
本体価格 4,840円(税込)(本体4,400円+税)
ISBN 978-4814401246
生成AIの活用が進む中で注目される、プロンプトエンジニアリングの包括的な解説書。精度が高く望ましい出力を生成AIから引き出すためにどうすべきか、GPT-3以降の知見をもとに、LLMや画像生成モデルに共通する原則と実践手法を体系化しています。原則の解説はもとより、ハルシネーション対策や出力の安定化、評価の視点など、現場で役立つ実践的な内容を多数収録。生成AIのツール群を使いこなす際に押さえるべき知識を広くカバーしています。Jupyter NotebookやGoogle Colab上で実際にサンプルコードを動かしながら学び進めることができ、最終章では、それまで学んだ知識をもとに実際に生成AIを活用したアプリケーションを構築します。
 

Async Rust ―高いパフォーマンスと安全性を両立するRustによる非同期処理

出版社 オライリー・ジャパン
発刊日付 2025年7月16日
著者 Maxwell Flitton (著), Caroline Morton (著)
本体価格 4,180円(税込)(本体3,800円+税)
ISBN 978-4814401185
ネットワークアプリケーションの複雑化により、数千から数万のネットワーク処理を並行して処理することが求められるようになりました。OSが提供するスレッドでも並行処理は実装可能ですが、オーバーヘッドが大きいためこの規模の並行性を実現することは困難です。このため、プロセス内部で複数のタスクをスケジューリングすることで並行性を実現する非同期機構の採用が、さまざまな言語で進んでいます。Rustのasync/awaitによる非同期機構はその1つで、async/awaitによる簡潔でわかりやすい記述をコンパイラが状態遷移マシンに書き換えることで、スタックを使用しない低コストな非同期実行を実現しています。本書は、async/await機構の実装を通じてその仕組みを理解し、代表的な活用方法をマスターできる構成となっています。
 

AI・ロボットからの倫理学入門

出版社 名古屋大学出版会
発刊日付 2025年7月11日
著者 久木田 水生 (翻訳), 神崎 宣次 (翻訳), 佐々木 拓 (翻訳), & 1 その他
本体価格 2,970円(税込)(本体2,700円+税)
ISBN 978-4815812003
AI・ロボット技術が日々進化する中で、生成AI や自動運転車、自律型兵器などが引き起こしうる倫理的問題を通し、人間の道徳を考える、知的興奮に満ちた入門書。「本書には、ロボットや AI という新しい隣人たちとつきあう上で参考となる倫理学の知恵がつまっている」 —— 伊勢田哲治。
 

数理でひもとくAI技術の深化: ボルツマンマシンとたどる最先端への道

出版社 コロナ社
発刊日付 2025年7月4日
著者 恐神 貴行 (著)
本体価格 2,860円(税込)(本体2,600円+税)
ISBN 978-4339029512
【読者対象】
本書は、2024年のノーベル物理学賞の対象となったホップフィールドネットワークやボルツマンマシンとは何かを知りたい方、そしてその理解を足がかりに、現代の人工知能技術の最前線に触れたいと考える読者を対象としています。前提となる知識は可能な限り抑えており、理系の大学生程度の数理的素養があれば読み進められるよう配慮しています。一方で、情報科学・人工知能・物理学など各分野の専門家にとっても、新たな視点が得られる内容を目指しています。

【書籍の特徴】
本書の最大の特徴は、ボルツマンマシンを軸として、さまざまな分野についての議論を展開している点にあります。機械学習、統計力学、計算量理論、最適化、量子計算、確率過程など、幅広い分野にまたがる内容を扱いつつ、それぞれの要点を押さえ、共通する構造や相互の関連性が自然に見えてくるように構成されています。
各章は基本的な概念から始まり、場合によっては最先端の研究成果にまで踏み込んだ議論を行います。難解な内容については、あえて一般性を犠牲にし、特別な場合に絞って丁寧に解説することで、直感的な理解を助けます。また、数式なしでは捉えきれない概念は、数式を積極的に用いながら、その背後にある意味や現実との対応関係を日本語で丁寧に説明し、読者の理解を深めることを目指しています。
 

統計的テキストモデル──言語へのベイズ的アプローチ (確率と情報の科学) 

出版社 岩波書店
発刊日付 2025年7月1日
著者 持橋 大地 (著)
本体価格 5,060円(税込)(本体4,600円+税)
ISBN 978-4000069762
文字・単語・文・文書からなる離散データをベイズ統計モデルでいかに学習するか。さまざまなテキストの統計的なモデル化の数理について一から説明し、ブラックボックスに頼らずとも自分の手で統計的分析を駆使できるようになることを目指す。分野を問わず自然言語処理の必要性が増加の一途をたどるなか、読者を基礎から導く好適書。
 

Pythonで実践する時系列予測の基礎: 理論とビジネス応用

出版社 オーム社 
発刊日付 2025年7月28日
著者 髙橋 威知郎 (著)
本体価格 3,960円(税込)(本体3,600円+税)
ISBN 978-4274233753
未来への確かな意思決定に、時系列予測を活用しよう!
本書は、時系列予測の理論とPythonによる実装を体系的にわかりやすく解説します。時系列データ分析が未経験でも通読できるよう、基礎となる数学から始め、ビジネスや研究の場で実践するためのスキルが身に付くよう丁寧にフォローします。
ビジネスの現場では、データに基づく意思決定が重要視され、特に時系列データ分析は、売上予測や需要予測、在庫最適化など、多くの領域で活用されています。そうした時系列予測の理論と実践を学ぶために必要な知識を、本書の活用によって身に付けることができます。
 

ネアンデルタール人再発見: 科学が再構築した新しい人類史

出版社 創元社
発刊日付 2025年7月17日
著者 ディミトラ・パパギアーニ (著), マイケル・A・モース (著)
本体価格 5,280円(税込)(本体4,800円+税)
ISBN 978-4422430669
私たちのDNAには、ほんの少し、ネアンデルタール人に由来する部分が混じっている。ネアンデルタール人が絶滅して4万年が経つが、私たちの中に彼らの遺伝子が受け継がれているということは、ネアンデルタール人が完全に消え去ったわけではないということだ。2010年に初めてネアンデルタール人のゲノムが発表されて以来、ネアンデルタール人についての、そして彼らと私たちの関係についての理解は劇的に変化した。かつてはネアンデルタール人は単純で残忍だという固定観念があったが、考古学者と分子生物学者による近年の新事実の発見によって、従来とは異なる、より私たちの身近に感じられる「像」が描かれるようになった。ネアンデルタール人は死者を埋葬し、病人の世話をし、洞窟の壁に顔料でペイントまでしていた。今や私たちは、DNAの研究を通じて彼らのヨーロッパでの進化やアジアでの移動の様子を追跡し、断片的な情報をつなぎあわせて、彼らがどのように生き、どのように死んでいったかを驚くほど詳細に推測できる。

本書には、魅力あふれる「私たちホモ・サピエンスの親戚」に関する最先端の研究が紹介されている。たとえば、現生人類や最近になって発見されたデニソワ人との交雑について、彼らの社会的行動について、そして私たち自身の健康にも影響を及ぼしている可能性のある彼らから受け継いだ遺伝子について、などだ。私たちとネアンデルタール人の相違点と類似点を直視することで、本書は「ヒトであるとはどういうことか」という人類最大の疑問に取り組んでいるのである。
 

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