2026.07.06 今月のおすすめ書籍(2026年7月)

 

おすすめ新刊紹介「文庫」

『ボヴァリー夫人』論〔増補決定版〕 上・下

出版社 筑摩書房
発刊日付 2026年7月13日
著者 蓮實重彦
本体価格 【上】2,090円(本体1,900円+税) 【下】2,090円(本体1,900円+税)
ISBN 【上】9784480513762 【下】9784480513779
【上】どこまでもその「テクスト的な現実」に即して『ボヴァリー夫人』を読解すること――。それによって作品は驚くほど豊かな相貌を見せることになろう。
===
「何も書かれていない書物」たることを夢見て生み出された『ボヴァリー夫人』。この作品をどこまでもその「テクスト的な現実」に即して分析したものが本書である。「エンマ・ボヴァリー」という固有名詞の不在の指摘を嚆矢として、手や足、数字といった細部の考察、さまざまなフィクション論などをめぐる批判的検討がなされる。周到かつ繊細な読解によって明らかとなる細部相互の齟齬と照応、差異と類似の共鳴。それらを通じ、テクストがまぎれもなく運動の惹起やみずからの変容、つまりは生成の流動とともにあることを読者はつぶさに知らされるだろう。蓮實批評の方法を大規模に示した代表作。

【下】細部相互の齟齬と照応。差異と類似の共鳴。一個のテクストに対してここまで肉薄した試みはあっただろうか。著者の代表作にして批評の一大金字塔。
 

白鶴亮翅

出版社 朝日新聞出版
発刊日付 2026年7月7日
著者 多和田葉子
本体価格 1,210円(本体1,100円+税)
ISBN 9784022652492
世界文学を切りひらく著者による、 はじめての朝日新聞連載小説の書籍化。 ベルリンで一人暮らしをする美砂。隣人Mさんは東プロイセンで生まれ、終戦前にドイツに引きあげてきた。美砂はプルーセン人の来し方を聞きながら、第二次大戦前後のドイツと日本の歴史に引き込まれ、土地からの追放、戦時の死者数、国や民族、境界について考える。 ある日、Mさんに誘われて、太極拳学校に行く。ロシア人富豪のアリョーナ、お菓子づくりのベッカー、英語教師のロザリンデと共に、鶴が羽を広げるように右腕を力強く上げる太極拳の技「白鶴亮翅」を習う。 美砂はクライストの短篇「ロカルノの女乞食」を翻訳する。このドイツの作家はなぜホームレスの老女に注目したのか。ハムレット、グリム童話、楢山節考、世界の名作を女性の視点から読み直してみると……。
 

プレゼント

出版社 新潮社
発刊日付 2026年6月24日
著者 伊坂幸太郎 江國香織 恩田陸 梨木香歩 町田 そのこ
本体価格 825円(本体750円+税)
ISBN 9784101332574
これはこれまで小説を愛してきてくれた人へ、そしてこれから小説の世界に一歩踏み出す人へ贈るプレゼント。何気なく読んだ物語が、ふと目にした一行が、意外な言葉ひとつが、人生を大きく変えるかもしれない。現代を代表する7人の作家が「夏」をテーマに書き下ろした、驚きと切なさ、怖さと美しさ、何よりとびきりの面白さを詰め込んだ奇跡の一冊。さぁ、あなたの人生に小説という選択肢を。
 

おすすめ新刊紹介「新書」

お医者さんはなぜ「がんで死にたい」と言うのか?
超長寿時代の老いと死を考える

出版社 光文社
発刊日付 2026年7月15日
著者 佐藤眞一
本体価格 1,188円(本体1,080円+税)
ISBN 9784334110505
「老いた自分に耐えられない」「他人に迷惑をかけたくない」「認知症にはなりたくない」「がんになって痛いのはいやだ」「ピンピンコロリで死にたい」――かつては皆が憧れた長寿だが、老後が長くなったからこその悩みや苦しみは増えてしまった。我々は超長寿時代をどう生きるか? あるいはどう死ぬか? 最新の医学情報や数値データを用い、意外な事実も参照しつつ、老年心理学・老年行動学の第一人者が解きほぐす。
 

中国の戦争観 -アヘン戦争から軍事大国化まで-

出版社 筑摩書房
発刊日付 2026年7月9日
著者 小野寺史郎
本体価格 1,155円(本体1,050円+税)
ISBN 9784480077547
今やアメリカに次ぐ軍事大国となった中国。しかし、その戦争観は紆余曲折を辿ってきた。アヘン戦争から現在まで、その変遷を読み解く。
 

おすすめ新刊紹介「一般書」

夏帆 The Tale of KAHO

出版社 新潮社
発刊日付 2026年7月3日
著者 村上春樹
本体価格 2,860円(本体2,600円+税)
ISBN 9784103534402
私はこの世界の出口を見つけなくてはならない――。女性を主人公にした初の長篇小説。
「正直いって、君みたいな醜い相手は初めてだよ」
26歳の絵本作家、夏帆は初対面の男にいきなりこう告げられた。
とびきり美しくも賢くもなく、ただ少しばかり好奇心の強い彼女は、 怒りよりもショックよりも、ただ純粋に驚いた。
――この男はいったい何を告げようとしているのだろう?
しかしそれから彼女の周りでは、実にさまざまな奇妙な出来事が起こりはじめる
 

「夫婦」不在社会

出版社 講談社
発刊日付 2026年7月16日
著者 三宅香帆
本体価格 1,320円(本体1,200円+税)
ISBN 9784065431740
忙しい現代、「仕事」と「家庭」を両立するにはどうすればいい?

昭和から令和にかけてヒットした小説、ドラマ、映画を分析して見えてきたのは、ディスコミュニケーションにあえぐ「夫婦」の姿だった――。

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』『考察する若者たち』
今最も注目の文芸評論家が「物語」を通して警鐘を鳴らす!
「働き方改革」に次ぐ、これからのパートナーシップのあり方を見直すための夫婦論。

・【推しの子】、『THE FIRST SLAM DUNK』『汝、星のごとく』の共通点とは?
・月9ドラマ『海のはじまり』が描こうとしたものとは?
・なぜ村上春樹が描く「夫」は沈黙するのか?
・坂元裕二が『ファーストキス』でたどり着いた「夫婦」の形とは?
……etc.

日本を席巻した物語が浮き彫りにする問題ーー「夫婦」の不在。
どうすればパートナーシップのディスコミュニケーションは解消されるのか?

それでもやはり思うのだ。「日本の物語に、もっと、夫婦がいてほしい」と。
なぜなら文芸は現実の欲望をうつすものだが、同時に、文芸は現実の欲望に影響を与えるものだから。
ーー三宅香帆
 

楽園

出版社 講談社
発刊日付 2026年7月23日
著者 夕木春央
本体価格 1,980円(本体1,800円+税)
ISBN 9784065403150
殺人犯にならなければ脱出できない

『方舟』『十戒』の著者が仕掛ける“禁忌の驚き”

亡き両親から不動産を譲り受けた康之は、賃借人・海原の遺留品整理の際に、群馬の山奥の謎の物件の存在を知る。そこは、切り立った岩壁に囲まれた、「楽園」と呼ばれる奇妙な場所だった。恋人の沙織と一緒にそこを訪ね、探索をはじめた康之たちは、すぐに六人の“住人”に拿捕された。脱出のための条件はーー
「誰か一人を殺さなければならない」
 

王国

出版社 マガジンハウス
発刊日付 2026年7月23日
著者 湊かなえ
本体価格 1,980円(本体1,800円+税)
ISBN 9784838733897
珊瑚の女王を殺したのは、
誰なんだ?
9人全員何かを隠している

anan人気連載、待望の書籍化!

白珠湾の海を守るーー生まれ故郷の海を愛する母と、
国際協力事業団で海を守る仕事に就く父を見て育った
浜崎朔也は海洋学部で学び旅行代理店を経て、満を持して
ウェルネス・ツーリズムの会社「海の王国」を興した。
幼い頃からの夢がようやく形になりかけた矢先、悲劇が起きる。

第30作にして新たなる挑戦――究極のブロマンス・ミステリ
 

おすすめ新刊紹介「人文書」

動物学者の戦争 海辺の畸人・阿部襄とその時代

出版社 青弓社
発刊日付 2026年7月27日
著者 坂野 徹
本体価格 3,740円(本体3,400円+税)
ISBN 9784787221100
20世紀初頭に山形県に生まれ、仙台の東北帝国大学に学んだ動物学者・阿部襄。青森県浅虫の臨海実験所、日本統治下の南洋パラオ諸島、さらには帝国日本の傀儡国家・満州国の吉林へと活動の場を広げながら、海洋動物の研究に従事した。敗戦後は故郷に戻り、山形大学で教壇に立つかたわら、晩年まで平和運動に力を注いだ。

阿部は、貝類やナマズ、サンゴなどの研究を進める一方、満洲では軍の要請を受けて森林での動物調査にも関わった。また、動物文学に深く魅せられ、少年少女向けの科学読み物を数多く執筆するなど、研究者の枠にとどまらない多彩な知的活動を展開した。その独特の言動はしばしば畸人とも評されたが、同時に多くの人々から人格者として敬愛を集めた。

自然への飽くなき関心と文学への深い希求を胸に、帝国日本の膨張と崩壊という現実に、彼はいかに向き合ったのか。科学と文学、帝国と戦後、研究と社会運動――。そのはざまを生きた異色の動物学者・阿部襄。その知られざる生涯を通して、日本の知識人の可能性と葛藤を臨場感あふれる筆致で描き出す。
 

おすすめ新刊紹介「理工書」

縦断データ分析: 構造方程式モデリングによるアプローチ

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2026年7月2日
著者 宇佐美 慧 (著)
本体価格 7,480円(税込)(本体6,800円+税)
ISBN 978-4130629331
複数の個人内変化をとらえる縦断研究は年々増加しているが、その仮説検証に有用なのが構造方程式モデリング(SEM)である。SEMに基づく縦断データ分析について、利点や課題を整理し、基礎から研究に応じたモデル選択、欠測処理まで包括的に解説する。

【主要目次】
1章 縦断データ分析の意義と構造方程式モデリング
2章 構造方程式モデリング概説
3章 平均の変化の分析――構造方程式モデリングによるアプローチ
4章 軌跡のモデリング1――線形の潜在成長モデル
5章 軌跡のモデリング2――非線形の潜在成長モデル
6章 変化の軌跡のモデリング3――多群・多重指標の潜在成長モデル
7章 変数間の縦断的関係の分析1――交差遅延パネルモデル群とモデル選択
8章 変数間の縦断的関係の分析2――媒介・調整分析とマルチレベルモデル・連続時間モデル
9章 順序カテゴリカルデータの分析
10章 縦断データの分類
11章 データの欠測
 

復刊 現代科学における数学概説 I
復刊 現代科学における数学概説 Ⅱ

出版社 共立出版
発刊日付 2026年7月3日
著者 後藤 憲一 (著)
本体価格 7,150円(税込)(本体6,500円+税)
ISBN Ⅰ…978-4320116146 Ⅱ…978-4320116153
近年、数学は我々にとって必要とされる範囲がますます拡がりをみせている。それに伴い、数学書も難解なものが増え、必要にも拘わらず近づきにくいものになっている。
そこで「非数学者による、非数学者のための数学概説」をまとめた。本書は一般的な数学体系に囚われず、数学を駆使して科学に携わっていく読者にとって必要となるトピックから始めていくような内容構成とし、あらゆる科学分野の読者が便利に活用できる数学書を目標としている。
第1巻となる本書では、代数学・解析学の基礎、函数論、微分方程式・積分方程式、線形問題などのトピックを扱う。

『現代科学における数学概説 I』として1981年の初版発行後、以来、長年にわたり多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度、多くの読者からの復刊のご要望を受け再発行するものです。
 

モジュラー形式と保型表現入門 (表現論の拡がり)

出版社 共立出版
発刊日付 2026年7月10日
著者 跡部 発 (著), 有木 進 (編集), 西山 享 (編集)
本体価格 3,960円(税込)(本体3,600円+税)
ISBN 978-4320116894
ゼータ関数やL関数は整数論に関する豊かな情報を内包しており、それらの解析接続性や関数等式を示すために、モジュラー形式や保型表現の理論が本質的な役割を果たす。実際、フェルマーの最終定理は、楕円曲線とモジュラー形式の深い関係を与える谷山–志村予想を部分的に解くことで解決された。

本書ではモジュラー形式と保型表現論の最も基本的な事項を解説する。通例とは逆に、先にSL2(ℝ)の保型形式論を展開したあとで、そこからモジュラー形式論を復元するという話の流れをとる。
前半ではコンパクトアーベル群の表現論を概説した後、実特殊線型群上の保型形式を定義し、その特殊な場合として、正則モジュラー形式が自然に現れることを見る。この観点から、モジュラー形式は実特殊線型群の表現論を通して調べられる。
後半ではp進体上の一般線型群の表現論を展開し、保型形式をアデール環上の一般線型群に持ち上げることで、モジュラー形式の空間にヘッケ環の作用が入ることを見る。最後にホィッタッカー模型について解説し、そこから重複度一定理やヘッケ同時固有形式のフーリエ係数の関係式などの古典的な結果に対する表現論的な証明を与える。
 

量子モデルと絶対数学 ~驚くべきその意外な関係~

出版社 技術評論社
発刊日付 2026年7月21日
著者 今野 紀雄 (著)  形式: 単行本
本体価格 3,300円(税込)(本体3,000円+税)
ISBN 978-4297157456
最先端科学の2つ「量子」と「絶対数学」には実に興味深い接点がありました!現代の数理物理学や数論の今に迫ります。

量子モデルと絶対数学は、それぞれ個別に考えられることが多いです。特に絶対数学は、リーマン予想とのつながりから、その方面でのみ研究される傾向にあります。しかしながら、実は両者が相性よく結びつくことが最近わかってきました。量子モデルと絶対数学・リーマン予想に共通点があるのです。「相性がいい」とは、量子系のモデルの時間発展行列がユニタリであり、さらに周期をもつ場合には、ゼータ関数や相関等式が導出されるのです。リーマン予想や絶対数学の第一人者である黒川信重先生の研究結果にもつながっていきます。
本書は、意外なつながりをわかりやすく解説し、量子モデルと絶対数学、さらに未解決問題の将来的な見通しまで言及していきます。
 

はじめての統計学入門―身近な事例で学ぶ記述統計・推測統計の基礎

出版社 東京図書
発刊日付 2026年7月19日
著者 新海 公昭 (著) 
本体価格 2,640円(税込)(本体2,400円+税)
ISBN 978-4489024627
大学1年の文系・理系問わず、数学が苦手な層や「統計学」をイマイチ覚えてない層のために、わかりやすさを重視したテキスト。
高校までの統計学の基礎を復習するサブテキストとしても使用もでき、
本文は身近な例を使って統計的な考え方が一からわかるように、図表なども駆使して手厚く解説している。
また数式も用語の読み方や意味から説明しているため、
『数式』と聞いただけで憂鬱になる層も何とか読み進めることができる構成となっている。
演習問題付き。
 

ガロア理論への招待

出版社 プレアデス出版
発刊日付 2026年7月22日
著者 桜井基晴(著)
本体価格 2,310円(税込)(本体2,100円+税)
ISBN 978-4910612201
本書は代数学の華=ガロア理論を平易かつ厳密に解説したものである。ガロア理論は5次以上の方程式には「解の公式」が存在しないことをエレガントに証明した深遠な理論である。この理論は、ガロアの劇的な生涯とも相まって数学愛好家および数学教師にとって必修の分野となっている。このような読者を念頭に置き、数学の専門書では通常、壮大な現代的理論の小さな系として扱われている方程式論に焦点を当て、話題を広げ過ぎることなく、ガロアが成し遂げた内容に読者を丁寧に案内する。群論や体論についてもわかりやすく解説をしているので、これらの内容に不安があっても心配は要らない。
 

ベクトル解析の構造と役割 -線型代数・微積分から外微分へ-

出版社 現代数学社
発刊日付 2026年7月25日
著者 安藤 洋美 (著) 
本体価格 3,630円(税込)(本体3,300円+税)
ISBN 978-4768707098
ベクトル解析の本質は,「公式」ではなく「構造」にある.古典的ベクトル解析を丁寧に整理しながら,微分形式・ 外微分による統一的理解へ導く.応用数学と現代幾何学の橋渡しを目指した本格的入門書. [内容]ベクトル関数とベクトル空間/極限と連続/微分幾何学序説/偏微分/合成関数の微分/陰関数と逆関数/Taylor 近似式/Fourier 級数/最大・最小問題/反復積分と多重積分/多重積分における変数変換/ 他.
 

工学基礎フーリエ解析とその応用 [新訂第2版]

出版社 数理工学社
発刊日付 2026年7月22日
著者 畑上 到 (著) 
本体価格 2,475円(税込)(本体2,250円+税)
ISBN 978-4864811323
本書は刊行以来好評を得てきたテキストの新訂第2版.理工系の学生に必要なフーリエ解析の知識を具体的な例題を通し,使える数学が学べるように配慮した.さらに再改訂にあたり2重フーリエ級数の記述をより充実させた.わかりやすく工夫された好個の教科・参考書.

【主要目次】準備/フーリエ級数/フーリエ級数の性質/フーリエ積分とフーリエ変換/偏微分方程式への適用/ラプラス変換/離散フーリエ変換と高速フーリエ変換
 

ベクトル解析の構造 -勾配・回転・発散から微分形式へ-

出版社 現代数学社
発刊日付 2026年7月25日
著者 横田 一郎 (著) 
本体価格 2,970円(税込)(本体2,700円+税)
ISBN 978-4768707081
「公式の暗記」から「構造の理解」へ.勾配・回転・発散,Gauss・Green・Stokes の諸公式を,微分形式と外微分の視点から統一的に理解する. [内容]ベクトル空間R^3/曲線と曲面/ベクトル場の微分/ベクトル場の積分他
 

構造の世界――なぜ物体は崩れ落ちないでいられるか

出版社 みすず書房
発刊日付 2026年7月14日
著者 ジェームズ・E・ゴードン (原著), 石川廣三 (翻訳) 
本体価格 3,960円(税込)(本体3,600円+税)
ISBN 978-4622095514
刊行以来50年にわたり愛読されてきた、構造力学の入門書の改訳復刊。
構造力学は、決して建物や橋だけにかかわる学問ではない。著者曰く「あらゆる植物や動物、そして人間の作るほとんどすべてのもの」、つまり「すべての物体は事実上何らかの構造物なのである」。著者はその言葉の通り、建物や橋だけでなく、船、飛行機と鳥の羽、樹木と弓矢、腱と骨、風船と血管、芋虫とコウモリ、服やソーセージに至るまで、あらゆるものを構造物として見る方法を縦横無尽に語っていく。
構造物の壊れ方は驚くほど多様で、えてして私たちの「想定外」をするどく突いて起きる。本書では、<補強>した結果かえって事故が増えてしまった飛行機や、図らずも非常に転覆しやすい構造となってしまった船、想定されるべき強風で崩壊した橋など、事故のエピソードも随所で紹介される。
DIY好きから建築家の卵まで、ものづくりを志すすべての人に贈る一冊。
 

量子デバイスと量子技術

出版社 東京大学出版会
発刊日付 2026年7月27日
著者 長田 有登 (著) 
本体価格 4,950円(税込)(本体4,500円+税)
ISBN 978-4130606097
昨今技術の進展が著しい量子技術を、理論・実験両方の視点から解説した一冊。学部レベルの量子力学の内容からスタートし、近年話題となっている量子計算、量子もつれ、量子計測について詳述する。さらに今後の研究動向もふまえ、量子実験技術も紹介している。
 

シドニー・コールマン 相対性理論講義

出版社 丸善出版
発刊日付 2026年7月31日
著者 David J. Griffiths (著), David Derbes (著), & 3 その他
本体価格 6,930円(税込)(本体6,300円+税)
ISBN 978-4621313060
世界的に著名な理論物理学者シドニー・コールマン(1937-2007)が生前に残した講義ノートを基に、彼の指導を受けた弟子たちによって再構築された相対論テキスト。筆頭著者のD. グリフィスも高名な物理学者で、多くの定評あるテキストを出版しており、それら弟子たちによる解釈も加えながら、より読みやすくテキストとしても非常に有用である。

1979年ノーベル物理学賞を受賞したグラショーが「理論物理学者の間で彼は神であり、物理学者の中の物理学者だ」と言わしめた天才で、「コールマン・マンドゥーラの定理」「コールマン・ワインバーグ分析」といった多くの定理を残している。また、コールマンの講義は明快で独特でたいへん人気があり、いくつかは伝説的な授業としていまも語り継がれている。本書は、1960年代後半に一般相対論の講義で使われたノートに基づいており、当時出題された試験問題もそのまま掲載する。
 

新しい量子力学入門 下

出版社 丸善出版
発刊日付 2026年7月29日
著者 小泉 裕康 (著) 
本体価格 9,570円(税込)(本体8,700円+税)
ISBN 978-4904074947
「新しい量子力学入門 上」に続く本書では、摂動論、量子多体問題、場の量子論といった発展的なテーマを扱います。ゲージ場を含む量子系に現れる重要な現象であり、日本の研究に端を発する量子力学的効果“量子アノマリー”についても言及しています。
量子力学誕生100年を機に、本書はこれからの量子力学の発展を見据え、量子物質や量子情報の理解に必要な量子力学の入り口まで辿り着けるように、初学者を念頭に書かれた現代的な入門書となっています。
 

物理数学: 自学自習のための詳解演習付き

出版社 丸善出版
発刊日付 2026年7月31日
著者 池田 隆介 (著) 
本体価格 3,850円(税込)(本体3,500円+税)
ISBN 978-4621313022
物理学を学ぶうえで数学は避けては通れないが、物理に使える「物理数学」として学ぶ必要がある。そのためには物理に必要な数学という道具に学生が自らの手で計算して慣れていくことが重要となる。

本書は、大学入学直後に学ぶ微積分と線形代数の初歩を既習の読者を対象にした物理数学の入門書で、読者が手を動かしながら自らのペースで学べるよう、随所に演習問題が用意される。また、公式を羅列するのではなく、読者が式の導出をしやすいような配慮もなされている。

各項目には理解の助けになるための演習問題を配置し、章末には復習と理解力を確認するための章末問題を設ける。そして、自学自習する読者が途中で投げ出すことがないよう、問題のレベルも適当にし、巻末には解答・解説があるので、答え合わせをしながらさらに理解を深めるための工夫がなされている。読み進めていくことでスキルが磨かれ、物理の最重要科目である「量子力学」も理解することができるようになる。
 

THE ELEMENTS 元素の図鑑

出版社 東京書籍
発刊日付 2026年7月23日
著者 スミソニアン協会 (監修), 左巻 健男 (監修) 
本体価格 6,930円(税込)(本体6,300円+税)
ISBN 978-4487818907
これまでにない、全く新しい視点で描かれた元素の周期表図鑑へようこそ。この図鑑では、人間がどのように元素を見つけてきたか、その歴史をたどりながら、科学や化学のドラマを物語のように楽しめます。

今ではおなじみの「周期表」ですが、実は原子の中身が詳しくわかる前の1800年代に生まれました。新しい元素が見つかるたびに表は書き換えられ、中には命がけの発見もありました。例えば、爆発しやすいフッ素の研究では、多くの科学者が怪我をしたり命を落としたりしたため、彼らは「フッ素の殉教者」と呼ばれています。そして今この瞬間も、科学者たちは最新の装置を使って、未知の元素を探し続けています。118番までの元素に続く新しい仲間が、粒子加速器の中での一瞬の輝きとして見つかりはじめており、周期表は今も成長し続けているのです。

本書では、ページをめくるたびに現れる美しい写真が、見慣れたはずの元素の意外な素顔を教えてくれます。わかりやすい図解やイラストが、目に見えない原子の仕組みや、不思議な性質の理由を解き明かします。
「金はなぜあんなに薄く伸びるの?」「ダイヤモンドはどうして世界一硬いの?」「ビスマスが浮いて見えるのはなぜ?」「コバルトから生まれるあの鮮やかな青の秘密は?」といった疑問に、楽しく答えてくれます。

科学が好きな方はもちろん、どなたでも思わず見入ってしまうほどスタイリッシュで美しい一冊です。
この宇宙にあるすべての物質が隠し持っている秘密を、あなたも一緒に覗いてみませんか?
 

よくわかる無機材料化学

出版社 森北出版
発刊日付 2026年7月2日
著者 公益社団法人 日本セラミックス協会 (編集) 
本体価格 3,080円(税込)(本体2,800円+税)
ISBN 978-4627242517
***日本セラミックス協会・編の新定番教科書!***
多彩な顔をもつ無機材料について、その性質や合成法を解説。
内容に偏りが出がちなテーマですが、熱的性質、機械的性質、光学的性質、磁気的性質、電気的性質が余すことなく解説されているので、バランスよく知識が身に付きます。

また、他書ではあまり触れられていない合成法や、エネルギー変換材料や生体材料としての側面についても詳しく解説。
約50題の演習問題も合わせて解くことで、理解が着実に深まります。

大学や高専の材料系、物質系、化学系学科で広く使える教科書です。
 

コペルニクス説遺聞――原典でたどる科学革命初期の諸相

出版社 みすず書房
発刊日付 2026年7月14日
著者 高橋憲一 (編集, 翻訳) 
本体価格 9,020円(税込)(本体8,200円+税)
ISBN 978-4622098485
1543年、科学革命の端緒となったコペルニクスによる地動説(太陽中心説)の提唱。その後、ガリレオが異端と断じられた宗教裁判までの90年、地動説はどのように語られ、どのように評価されていたのか?
それを確かめるため、本書は『天球回転論』を起点に、その90年の間に遺されたコペルニクス説にまつわる膨大な歴史文書の邦訳をお届けする。各文書に付された編訳者による解題と読解のヒント、そして精緻な訳注によって、それぞれの文書の執筆当時の社会・文化的背景、著者たちの意図が鮮やかに浮かび上がってくるだろう。
膨大な遺聞を通して歴史的事実を見渡したのち、「あとがきに代えて」では、科学史家トマス・クーンの議論を足がかりに、「なぜコペルニクスの地動説が科学革命の端緒たりえたのか」を再考する。
天に煌めく太陽を、夜空に瞬く星を、自らが踏みしめている大地を、もっと知るために――先人たちはこれほどまでに探究を重ねてきた。地動説の帰趨、そしてその科学史における意味をも詳らかにする、コペルニクス研究の集大成と呼ぶべき快著。
 

タンパク質の動きと機能: 原理・モデリングから創薬まで

出版社 共立出版
発刊日付 2026年7月27日
著者 Ivet Bahar (原著), Robert L. Jernigan (原著), & 4 その他 
本体価格 12,100円(税込)(本体11,000円+税)
ISBN 978-4320058507
本書は、タンパク質を「構造」「機能」「運動」「進化」という統一的な視点から理解するための理論的枠組みを提示した生物物理学・計算生物学の名著『Protein Actions: Principles and Modeling』(Ivet Bahar、Robert L. Jernigan、Ken A. Dill著)の翻訳本であり、タンパク質を“生きた分子機械”として捉える知的興奮に満ちた一冊である。本書の最大の魅力は、単なる実験的知識の羅列ではなく、折りたたみや結合、ダイナミクスといった現象を統計力学やエネルギー論、動力学など様々な角度から体系的に説明している点にあり、生物・化学・物理・統計学など幅広い分野の学生・研究者が学びやすい教科書となっている。基礎から応用までの構成も巧みで、安定構造や協同性、折り畳みキネティクス、進化、分子シミュレーション、薬物設計などを段階的に学ぶことができ、構造生物学・分子動力学・創薬分野の学生や研究者にとって極めて有用である。特に「なぜその構造がその機能を生むのか」「どのような運動が生命現象を支えるのか」を定量的に理解したい読者にとって、本書は最良の道標となるだろう。さらに、原著にはなかった「AlphaFold」「クライオ電子顕微鏡」の解説を付録章として追加しており、タンパク質の最新の研究分野についても知ることのできる一冊となっている。

[原著]Protein Actions: Principles and Modeling, Taylor & Francis(Garland Science), 2017
 

人間を知るための生物学 (KS生命科学専門書)

出版社 講談社
発刊日付 2026年7月16日
著者 松村 秋芳 (著, 編集) 
本体価格 3,300円(税込)(本体3,000円+税)
ISBN 978-4065434048
生命の基礎である細胞や遺伝子から、ヒトの体のしくみ、そして進化や生態系、環境問題まで、生物学の全分野を網羅した大学教養向け教科書の決定版。フルカラーだからわかりやすい。
 

検索システム なぜ検索システムは欲しい情報を見つけられるのか、あるいはなぜ見つけられないのか (KS情報科学専門書)

出版社 講談社
発刊日付 2026年7月16日
著者 佐藤 竜馬 (著)
本体価格 3,520円(税込)(本体3,200円+税)
ISBN 978-4065429716
基本原理から、索引語検索、ベクトル検索、生成検索といった主要なアーキテクチャ、そして機械学習を用いた改善や評価、さらにランキング学習、検索拡張生成(RAG)、検索エンジン最適化(SEO)などの発展的な話題までを幅広く解説。

現代の検索システムを、これまでにない解像度で理解できる!

これから社内に検索システムを導入しようと考えているエンジニアの方はもちろん、なぜ検索システムが欲しい情報を見つけてくれるのか、あるいはなぜ見つからないのか、その理由が知りたい方にも役立つ一冊です。
 

因果AI: コードファーストで学ぶ因果推論

出版社 共立出版
発刊日付 2026年7月22日
著者 Robert Osazuwa Ness (著), 小山田 創哲 (翻訳) 
本体価格 9,350円(税込)(本体8,500円+税)
ISBN 978-4320125988
因果推論には、1ドメイン知識を因果モデルに落とし込むスキル、2確率論の深いスキル、3統計手法の深いスキル、の3つのスキルが求められる。本書は主に、1のスキルに焦点を当てている。オーダーメイドな因果モデリングを可能にするライブラリを活用し、統計的な重労働にはPyTorchのようなディープラーニングの仕組みを用いることにより、「コードファースト」のアプローチで因果推論の理論を実践的に学ぶ。さらに、生成AI・LLMにおける因果性の位置づけについても取り上げており、現代のAI設計における因果性の話題も豊富である。因果推論を学びたいデータサイエンティストや機械学習エンジニアにとっての必携書となるであろう。

<2011年チューリング賞受賞 ジューディア・パール(Judea Pearl)推薦>
『因果AI』は、因果的なストーリーを生成し理解するAIシステムを構築するために、今まさに必要な1冊である。Robertは、わかりやすい解説、最先端のコード例、そして実世界の応用を通して、因果科学と反実仮想の論理を、生成AIと巧みに結びつけている。この革新的な分野を身につけたいすべての人にとって、この本は必読といえよう。――Judea Pearl

[原著]Causal AI, Manning Publications, 2025
 

つくりながら学ぶ!画像生成AI 自作入門

出版社 マイナビ出版
発刊日付 2026年7月24日
著者 Mark Liu (著), IPUSIRON (監修, 翻訳), & 1 その他  形式: 単行本(ソフトカバー)
本体価格 4,180円(税込)(本体3,800円+税)
ISBN 978-4839990299
画像生成AI Stable DiffusionやDALLの元となった拡散モデル(diffusion model、DM)およびVision Transformer(ViT)をPyTorchでコード実装、AI開発に不可欠なテクニックをステップアップで習得していきます。文章から画像を生成できる独自のAIモデルをゼロから構築しよう!

・文章から高解像度画像を生成するモデルを構築
・プロンプトに基づいて画像を編集
・画像分類を行うVision Transformer(ViT)を構築
・分類、テキスト生成、画像生成に合わせてLLMを微調整
・本物の画像とディープフェイクをより正確に判定する

Manning『Build a Text-to-Image Generator (from Scratch)』の翻訳書。
 

人工知能との数学的対話 ~生成AIとの壁打ちで数学力を磨く~ (数学への招待シリーズ)

出版社 技術評論社
発刊日付 2026年7月9日
著者 数理哲人 (著)
本体価格 2,640円(税込)(本体2,400円+税)
ISBN 978-4297157081
みなさんは、数学の問題に取り組むとき、解き方に行き詰まったとき、どのように対処していますか?友人に聞いてみたり、先生に相談したりできる方もいれば、悶々と一人で考える方も中にはいらっしゃるかもしれません。本書では、その相棒になりうる生成AI(GPT-5、Geminiなど)を使って、数学的な思考力や問題解決方法を身につけることができるという、驚くべき方法を紹介します。たとえば、思考面が強化されたGPT-5に数学の問題に対する疑問をぶつけると、参考になるような答え、気づきになる答え、思考力が広がる答えなどが返されることがあり、とてもよい相棒となりうるのです。その様子を、著者と生成AIとの実際のやりとり・対話を交えて丁寧にご紹介します。数学に取り組むひとつのスタイルとしてご覧ください。
 

マテリアルズインフォマティクスのための応用数学

出版社 技術評論社
発刊日付 2026年7月27日
著者 三俣 千春 (著) 
本体価格 3,960円(税込)(本体3,600円+税)
ISBN 978-4320072053
マテリアルズインフォマティクスは、材料科学と情報科学が融合した学問分野で、本書は工学系読者を対象に統計学的基礎を学びます。
 

HOME