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設立趣意書

大阪大学生活協同組合設立趣意書

 このたび、わたくしたちは大阪大学に新しく「大阪大学生活協同組合」を設立したいと存じます。この組合は大阪大学の全学生教職員を一体として組合員の協 同互助の精神にもとづき、組合員の経済的・文化的生活の向上を図ることを目的とするものであります。申すまでもなく、従来、わたくしたち大学に学び勤める ものの生活は、学生はもとより教職員といえども勉学、研究の自由と尊厳を守るには決して充分であるとはいえませんでした。

 

 加えるに最近の社会的・経済的情勢の切迫は、憲法に基づく文化的平和的生活の維持すら困難ならしめているように思えます。わたくしたちはここにわたくしたち全体の力を結集して、少しでもわたくしたちの生活を向上せしめたいと存じます。

 

 元来、大阪大学の教職員と学生による生活向上への努力は長い歴史を持っております。大阪大学に初めて協同組合運動が起こったのは敗戦直後の昭和23年国 民生活の混乱と悪性インフレによる極端な欠乏の時期でした。当時分校の教職員と学生は学業を支える為、苦しい努力を続けていましたが、相互の協力により自 分たちの生活を守ろうと翌24年春には任意団体の生活協同組合を設立するにいたりました。それ以後12年、この組合が歩んできた途は決して平坦ではありま せんでした。ある時はデフレの波をかぶり、ある時は経営陣の弱体から危機に見舞われ経営の基礎が揺らぐこともありました。しかし、幸いにして協同互助の精 神のもと、組合員の総意による民主的運営は次第に成果をあげ、ついに昭和35年石橋地区の新食堂経営を担当するにいたりました。この様にしてこの組合は長 い間、大阪大学の教育環境の一環として自主的な福利施設の役割を果たしてきたのであります。さらに又、協同組合の理念はこの組合を通じて、一部分実現して いたのであります。しかしながら、わたくしたちはこのような任意的な生活協同組合では、生活協同組合に現在課せられている重大な使命を果たすには不充分で あり、かつ、限界のあることを自覚せざるを得ないのであります。協同組合の理念が大阪大学においてより完全に実現し得るためには、それにふさわしい機構と 実力を持たねばなりません。

 

 ここに従来の組合を解散し、かつ、この組合に寄せられた批判およびこの組合の持つ業績と経験とを充分に生かした新生活協同組合を大阪大学全員の協力に よって新しく設立したいと念ずる次第であります。この新しい生活協同組合は何よりもまず組合を法の統制と保護の下におき、強力な経営陣を構成して社会的・ 経済的信用を飛躍的に高めたいと存じています。ここに教職員各位、学生諸氏全員の御賛意と御協力をえて、新しい組合が「消費生活協同組合法」の定める特殊 法人「大阪大学生活協同組合」として力強く発足し大阪大学の福利厚生施設として充分活躍出来ますよう御支援賜りたくお願い申し上げます。

 

昭和36年10月27日 大阪大学生活協同組合 設立発起人会


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